百花釀雞腿│鶏もも肉のすり身のせ蒸し

難易度:☆ 調理時間:1時間以内
"旧"「中餐烹調乙級技術士検定」の課題料理から『百花釀雞腿│鶏もも肉のすり身のせ蒸し』のレシピを紹介します。エビのすり身を豚ひき肉と混ぜ合わせたものを、鶏もも肉の上に乗せて蒸して作る贅沢な料理で、宴席料理としても出されます。

ソースに使うみじん切りのハム、セリ、シイタケを美しく咲いた花に見立てて「百花」の名前が付けられています。百花といえば「百花繚乱」、「百花斉放」などの四字熟語が浮かびますが、今回はこれらの由来を探ってみましょう。

百花繚乱の由来は過去記事に記載しているのでそちらを参照してください。

百花斉放は百花繚乱と同じような意味です。美しい熟語なのですが1957年の百花斉放百家争鳴という共産党批判を歓迎する運動のスローガンとして用いられ、その後批判者が粛清されたことからあまりよいイメージがありません。出典は清の李汝珍による《鏡花縁》。神や悪魔が登場する長編ファンタジー小説で、その第三回にある"百花仙子只顧在此著棋、那知下界帝王忽有御旨命他百花斉放。"という一文がもとになっています。物語はそれぞれ花を司る百人の仙女が人界に降りてきて科挙に合格し、世界を旅すて政治を語るという不思議な小説です。全100巻と相当長いので筆者は途中で断念しました(笑)。百人の女性が主役なのですが彼女らの色恋の話はまったくなく、ほとんど李汝珍の雑学紹介みたいな小説なので興味がある方はテキストを探して読んでみて下さい。もちろん著作権は切れてますので無料で読めます。

もうひとつ「百花生日」という熟語があり、これは陰暦の2月12日花の神様を祀る花朝節という漢族の祭りの別名です。清代の秦味芸《月令粹編》巻五「陶朱公書」の中の一文"二月十二日為百花生日。無雨、百花熟。"の一文からきています。百花繚乱とは逆に日本ではほとんど使われません。

数百年前の詩や小説の一文が現代も決まり文句として使われているなんて不思議ですね。現代のマンガやアニメの有名なセリフも数百年経った未来で生き残っているかも知れません。

名前に負けない豪華な料理『百花釀雞腿│鶏もも肉のすり身のせ蒸し』にもぜひ挑戦してみてください。


[材料]
鶏もも肉 ……… 2本
エビ ……… 150g
豚ひき肉 ……… 40g
ハム ……… 少々
セリ ……… 少々
シイタケ ……… 2個
ネギ ……… 30g
ショウガ ……… 5g

[調味料1]
醤油 ……… 大さじ2
砂糖 ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々

[調味料2]
卵白 ……… 半個分
塩 ……… 小さじ1/2
胡椒 ……… 少々
片栗粉 ……… 小さじ1

[調味料3]
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1
水 ……… 100cc
塩 ……… 小さじ1/2

[作り方]
1.鶏もも肉の骨を除き、肉の内側を包丁の背で叩いて筋をほぐす。ネギとショウガをみじん切りにし、すべての調味料1と混ぜ合わせたものに鶏もも肉を20分ほど浸けておく。

2.エビの殻と背ワタを取り除いてよく洗ったら、キッチンペーパーで水気をよくふき取っておく。エビを包丁で叩くなどしてすり身を作り、豚ひき肉とすべての調味料2とよく混ぜ合わせておく。ハムをみじん切りにする。セリをみじん切りにする。シイタケのいしづきを取り除き、みじん切りにする。

3.鶏もも肉を耐熱容器に乗せ、身の部分に薄く片栗粉(分量外)をまぶす。皮を上にして更に片栗粉をまぶしたら、皮の上から作り方2のエビすり身と豚ひき肉を混ぜたものを塗り広げる。表面を平らにならしたら作り方2のハムを散らし、容器ごと蒸し器に入れて強火で10分蒸す。

4.熱したフライパンに少量のサラダ油(分量外)をひき、作り方3で蒸した鶏もも肉の下面を軽く焦げるまで焼く。鶏もも肉を器に盛りつけて食べやすい大きさに切り分ける。調味料3とセリ、シイタケを混ぜ合わせたものをフライパンで炒めてとろみのあるソースを作り、鶏もも肉の上から掛けたら完成。

Point!
鶏もも肉の表面に片栗粉をまぶすのを忘れないようにしましょう。片栗粉をまぶさないとエビのすり身が鶏もも肉に付かずに滑り落ちます。

鶏もも肉の皮をのぞいて作る場合と、付けたまま作る場合の二通りの作り方があります。皮付きの場合は切り分けるのが難しいので、あらかじめ包丁を入れておくなど注意しましょう。

中華ハム(金華ハムなど)を使う場合は、あらかじめ軽く湯通しして生臭さを抜いたものを使ってください。

調味料3の水を中華スープに変えてもよいですが、なるべく透明なものを使いましょう。


0 コメント :

 
日本で作れる台湾料理 © 2012 | Designed by Rumah Dijual , in collaboration with Web Hosting , Blogger Templates and WP Themes
FB FACEBOOK TW TWITTER