難易度:☆ 調理時間:1時間以内
本日は福州の名物料理、実は日本ともちょっとしたつながりのある『肉燕皮│肉燕麺、肉燕皮』のレシピを紹介します。
『肉燕皮』は『肉燕』または『小長春』と呼ばれる福州料理に使われる特殊な麺です。豚肉を小麦粉に練りこんだ薄い麺で、普通はワンタンのように中に餡を詰めて食べます。中に餡を詰めて食べるときは、普通のワンタンよりもすこし小ぶりなのが特徴です。台湾でもわりとよく食べられますし、スーパーでも売ってます。
『肉燕皮』の「燕」の字は「宴」に通じるとして、福州では酒席や宴会で供されるおめでたい料理です。もともと王世統という人が福建省の最北端である浦城で発明した料理で、当初はただの小型のワンタンで、生地に肉は入っていませんでした。これが浦城で非常に人気を博したため、清の光緒年間に福州で開店、その後改良を続け宣統3年(1911年)に肉を混ぜ込んだ現在の『肉燕皮』が完成します。福州のお店は港のすぐそばにあったため、多くの人がこの料理を海外に持ち出し、世界各地に広まります。
これが日本にも伝わり、熊本名物『太平燕』となるのです。熊本を訪れることがあればぜひ味わって見ましょう。台湾のものと食べ比べてみるのも面白いと思います。
さて、この『肉燕皮』自体は料理の名前ではないのですが、生地から豚の旨みが流れ出すので、適当な大きさに切って中華スープで煮込むだけでもおいしく食べらます。次回はこの『肉燕皮』を使った『小長春』そして、元祖『太平燕』を紹介しますのでご期待ください。
[材料]
豚ひき肉 ……… 500g
小麦粉 ……… 500g
米粉 ……… 40g
[調味料]
塩 ……… 5g
片栗粉 ……… 適量
[作り方]
1.ボウルに塩、米粉、豚ひき肉を入れてよくこねる(→Point参照)。
2.4-5回に分けて少しずつ小麦粉を加えながらその都度完全に混ぜ合わせる。小麦粉を全量混ぜ合わせたら大き目のビニール袋に入れ、全体重をかけて弾力が出るまで20分ほどこねる(→Point参照)。
3.まな板に片栗粉で打ち粉をし、作り方2の生地を麺棒などで広げ、厚さ2mmほどの薄い生地を作る。きれいに折りたたんだら幅約20-30cmになるように包丁で端を切り落として成形し、肉燕皮の完成。これを涼しい場所で乾燥させたら『干肉燕皮』となる。
Point!
豚肉はなるべく新鮮なものを使いましょう。
本来はサツマイモ澱粉で作りますが、お店によっては小麦粉で作ります。手に入る方はサツマイモ澱粉でも試してみてください。コシが変わります。
この料理に使う塩は多少のアルカリ分が入っていた方がいいので、人工塩よりは岩塩や海塩の方があっています。
肉に粘りが出るまで一生懸命混ぜましょう。本来は木槌で叩いて繊維をほぐしながら混ぜますが、日本のミンチは繊維もよく裁断されているので普通のボウルで作っても問題はありません。
うどんのようにこねればこねるほどコシが出ます。力の弱い人は二重にしたビニール袋などに入れて両足で踏みましょう。最終的に男性の力こぶくらいの固さになります。
乾燥させた『干肉燕皮』を使うときは、軽く水でぬらして柔らかくしてから使います。
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