三色炒筍絲│タケノコ三色炒め

難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は久しぶりに『中餐丙級證照』シリーズから『三色炒筍絲│タケノコ三色炒め』を紹介します。レシピでは三色どころか五色くらい使っていますが、料理名は変わりません。

タケノコの千切りをメインに様々な野菜の千切りを炒めて作る料理で、手軽に豊富な野菜を取ることができます。

この料理のメイン食材であるタケノコは日本や中国で食材としてよく使われますが、それ以外の地域では余り見かけないローカルな食材です。まぁ、中国が大きすぎるためあまり「ローカル」なイメージはもてませんが、他のアジア料理ではほとんど使われることはありません。韓国やタイで時々使われる程度です。

ところで中国のタケノコも実は日本が技術指導して栽培されるようになったものなのはご存知でしょうか?1970年以降日本で開発され大ヒットした「シナチク」の材料確保のため中国産のタケノコが輸入されるようになりました。その過程で日本の農林技術者が、中国に竹林の管理の仕方とタケノコの採取方法を指導し、中国でもタケノコが本格的に食べられるようになりました。古い中国の本草書《本草綱目拾遺》にも「毛笋」などの名前でタケノコの説明があるので、中国でも古くからタケノコを食用または薬用にしていたことが分かりますが、近代に入るまでは一般的ではなかったようです。

「シナチク」が開発される前のタケノコは、ほぼ日本特産の食材だったといってもよいでしょう。なかなか興味深い話ですね。ちなみに台湾には日本統治時代に食用にする習慣がもたらされました。

タケノコは採取したその瞬間から、酵素による生合成が進むため味が急激に落ち始めます。そのためなるべく早く加熱して酵素を失活させる必要があり、これがタケノコの味を決めるほぼ唯一のポイントです。

今では加工流通技術の発達により、一年中美味しいタケノコを楽しめるようになりました。冬に食べるタケノコもおいしいですが、やっぱり旬である初夏のタケノコは一味違います。ちなみに「旬」の字の本来の意味は「10日間」。竹は10日で成長を終えると考えられていたことから、タケノコはこれにタケ冠をつけた漢字を使います。

それではレシピいってみましょう。


[材料]
タケノコ ……… 300g
ピーマン ………半玉
干しシイタケ ……… 3個
ニンジン ……… 15g
キクラゲ ……… 50g
トウガラシ ……… 1本
生姜 ……… 10g

[調味料]
塩 ……… 小さじ1/4
砂糖 ……… 小さじ1/4
水 ……… 大さじ5
胡椒 ……… 少々

[作り方]
1.タケノコは皮をむき、沸騰したお湯で40分煮込んで火を通してから冷水に浸けて冷ました後、千切りにしておく。

2.干しシイタケはは水で戻した後、薄切りにする。ピーマンは種を取り、千切りにする。ニンジンは皮をむき千切りにする。キクラゲは千切りにする。

3.シイタケの戻し汁を沸騰させ、作り方2の材料を加えて炒めるようにして煮込み火を通す。

4.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油をひき、千切りにした生姜を炒めて香りを出す。続いて作り方1のタケノコ、作り方3のシイタケの戻し汁とその他の材料、残りの全ての調味料を加えて炒めて完成。


Point!
材料は全て同じ太さの千切りにしましょう。大きさが異なると箸でつまみにくいどころか、食感が悪くなります。
タケノコの代わりに千切りにしたジャガイモで作ると、『三色炒馬鈴薯』という料理になります。茹で時間を調節して作ってください。

キクラゲはなくても作れます。

レシピ通り作るとすこし味が薄いかもしれません。塩の量で味を調節してください。


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