三色丼│三色肉そぼろ丼

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
三種類の『肉燥│肉そぼろ』をご飯に乗せた中華風の丼飯『三色丼│三色肉そぼろ丼』のレシピを紹介します。肉そぼろそれぞれ『擔仔麵』や『炸醬麵』のソースとしても使える濃厚な味わいで、今回はそれを贅沢にご飯に乗せた料理です。

日本で「三色丼』というと、肉そぼろ、煎りタマゴ、サヤインゲンなどを盛りつけたカラフルな文字通り「三色」の丼を指しますが、中国では「肉、肉、肉!」の肉そぼろ尽くし!三つの味の肉そぼろで作ります。さすが豚肉消費世界一の国。

「丼」の漢字は《設文解字》によると、元字は「井」でそれに石(﹑)を投げ込んだ時の音を指しているそうです。現代ではお碗(丼)にご飯もおかずもすべて盛りつけた一品料理、特に日本の丼料理の名称として使われ、中国語でもほぼ日本の丼料理を指すときにだけ使われます。

丼飯は和食の中でも結構な歴史があり、室町時代に『芳飯』と呼ばれた茶漬けのような料理が最も初期の丼飯といわれています。今のような形の丼飯は江戸時代末期に発明された『深川丼』や十九世紀初期に開発された『うな丼』などがあります。丼飯はもともと忙しい職人らのために急いで食べられる料理として始まったものだそうで、江戸時代以前にも日本各地でその類似料理(いわゆる『ぶっかけ』のようなもの)が見られます。ちなみに『親子丼』は1891年、『カツ丼』は1913年に生まれたそうです。

「丼」の字は中国や台湾でも和食の代名詞のように使われます。見た目は明らかに丼なのに和食でないことを強調するため、中国ではあえて『蓋飯』の字を使ったりします。また韓国では日本語由来の『돈부리(ドンブリ)』という単語があったのですが、日本語由来の単語を忌避して『덮밥(かけ飯)』 という固有語で言い換えたりします。海外で食べる丼料理は例え和食店で食べても大幅なアレンジが加えられていることがあったりして、文化の差を感じることができます(もちろん日本そのままの丼を出す店もあります)。料理が得意な方は海外に出かけたらその土地にあわせた丼を作り現地の人に振舞ってあげると喜ばれそうですね。



紹蝦球│浙江風エビの素揚げ

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難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
浙江省は紹興酒で有名な紹興市の名物料理『紹蝦球│浙江風エビの素揚げ』のレシピを紹介します。素揚げとはいえかなり技巧をこらしてあるので、シンプルな見た目とは裏腹に素材のうまみを楽しめます。

もともとこの『紹蝦球』は100年ほど前に紹興市にあった「雅堂酒店」というホテルで作られました。開発された当時は『蝦肉打蛋』という名前で呼ばれており、宴席料理として非常に有名だったそうです。元々はエビの肉に卵を加工した糸状の衣を纏わせて揚げたもので、テンメンジャンを添えて食べる料理だったそうですが、その後数名の料理人の改良を経て現在のような形になりました。当初のものとは大きく形が変わっています。

紹興酒で有名な紹興市は中国浙江省にある都市です。紹興とは宋代の紹興元年(1131年)に越州という府が置かれたのが地名の由来です。それ以前にも越国(中国南方の異民族)文化発祥の地として長い歴史があり、6000年以上前から人類が居住していた遺跡も残っているそうです。《阿Q正伝》などの作者魯迅の出身地としても有名です。

紹興酒があまりにも有名ですが、紡績業が非常に盛んな都市で、現在世界中で交易が行われる半分以上の繊維が浙江省紹興市から輸出されたものだそうです。というより紹興市の紡績業によって浙江省の大半のGDPを稼ぎ出しているといった方がいいでしょうか。

繊維、紡績に興味がある方はぜひ浙江省紹興市にある「中国軽紡城」という産業センターを訪れてみましょう。あの巨大な中国において最初に「中国」の名を冠した専門市場です。その規模はきっとわれわれの想像以上でしょうね。筆者がいつか訪れてみたい場所の一つです。

發財好市│発財好市、干しガキと髪菜炒め

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難易度: 調理時間:3時間以内
広東省のおめでたい宴席料理『發財好市│発財好市、干しガキと髪菜炒め』のレシピを紹介します。干しガキ(蠔豉)と髪菜という日本ではなかなか手に入らない食材を使うので、他のカキや海藻を代用して作ってください。他の材料で代用して作る場合は難易度☆二つくらいでしょうか。

『發財好市』という非常にめでたい料理名は、使用される材料の名称からきています。干しガキは中国語で「蠔豉│Haochi (広東語でホウシー)」といいますが、これが好市(ハオシー)と発音が近いため、また海藻の一種である「髪菜│Facai (広東語でファッツェー)」が発財と発音が近いためそれぞれめでたい食材として使われています。

どちらも日本ではあまり出回らない食材なので、日本で作るなら干しガキはその他の貝類を干したものを、髪菜はヒジキなどで代用しましょう。干しガキなら中華食材やで手に入るかもしれません。

髪菜は海藻を乾燥させたものですが、中国では採取も販売も禁止されているため非常に高級です。なぜ禁止されているかというと、髪菜を採取する時に熊手のような器具を使うのですが、これが生息地の地表を荒してしまい表土流出や砂塵の原因となってしまうため。"あの"中国が環境破壊を原因に採集を禁止するくらいなので、相当ひどい環境破壊が起きてしまったのでしょう。

…そんなものがなぜ今でも売られているかというと…そう、偽物です(笑)。香港のホテル・レストランで出される『發財好市』はほぼ間違いなく偽物の髪菜を使ったものだそうです。似たような海藻で代用するのならまだ分かりますが、ひどいものになるとトウモロコシのヒゲを染色したものを使っていたりするそうです…。栽培や養殖の研究も行われているそうですが、早く成功して本物の髪菜がたくさん食べられるようになるといいですね。



吉利玉帶│ホタテ貝柱フライ

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難易度:☆ 調理時間:30分以内
広東料理から『吉利玉帶│ホタテ貝柱フライ』のレシピを紹介します。新鮮なホタテ貝柱に衣をつけて揚げただけのシンプルな料理で、貝のうま味を余すところなく楽しめます。

玉帯(子)とは元々は貴族が身に付けていた宝石をちりばめたベルトのことですが、転じてエンガワをもつ新鮮なホタテガイを示すようになりました。

貝類は一般にタコやイカなども含む軟体動物の中で固い殻を持つものを総称して言います。動物学上は軟体動物の下に分類されるすべての種が含まれるそうなので貝殻を二次的に失ったイカやタコ、ウミウシ、ナメクジなども貝類(の仲間)に分類されるそうです。

ホタテガイは学名を Mizuhopecten yessoensis 、台湾では蝦夷海扇蛤、中国では蝦夷盤扇貝といいます。中国では学名が Patinopecten yessoensis となっていることがあるのですが、どうやらシノニムのようです。

台湾では漁獲されない種ですが、中国北部で少量が獲れるそうです。台湾には17 屬 67 種のイタヤガイ科の貝が生息していることが確認されているようですが、ホタテガイのような大型の種はいないようです。

ホタテガイなどの属するイタヤガイ科の貝類の貝柱は中華料理には欠かせない食材の一つです。中国海岸沿いのほとんどの中華料理で古来より高級食材として使われてきました。特に広東料理ではスープの出汁取りに多用されるため需要が高く、日本北海道産の貝柱は超高級品として扱われます。台湾でも貝柱の乾物、いわゆる干貝は日本産のものが最高級品で大きなものは1kg1万円以上で取引されます。台湾の友人を訪ねる時は日本産の貝柱はいいお土産として喜ばれるので覚えておきましょう。

今回の料理では新鮮な貝柱を使います。うま味成分の構成は豊富なグルタミン酸に少量のイノシン酸(他にも微量のコハク酸など)が混ざった複合型です。ホタテのうまみをそのまま閉じ込めた『吉利玉帶│ホタテ貝柱フライ』をお楽しみ下さい。




東江豆腐煲│広東風豆腐土鍋煮込み

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難易度:☆ 調理時間:1時間以内
広東料理の名菜『東江豆腐煲│広東風豆腐土鍋煮込み』のレシピを紹介します。豆腐と豚ひき肉をメインに、とろみのあるスープと土鍋で煮込んだ料理です。とても豪華でおいしいのでぜひ再現に挑戦してみましょう。

料理名にある東江とは広東省を流れる河川の名前です。上中流に巨大なダムがあり、現在香港への飲料水のおよそ70-80%がこの東江から引かれているといいます。残りの2割の水は香港は自前でまかなっているようです。

東江からの導水が完了するまでの1960年まで、香港はすべての飲料水を自前でまかなっていました。もちろん足りるはずもなく60年代の香港は慢性的で深刻な飲料水不足に陥っていました。そのためあの小さな香港には規模は小さいですが多くのダム、貯水池があり、昔からの香港住民は屋上に雨水をためる樽を多数準備しておく習慣があるのだとか。小さな島同士を連結して、海上に巨大な淡水貯水庫(船灣淡水湖や西貢糧船灣洲)を作ったり、ダムの数を増やしたりといろいろな工夫のあとが見られます。

それでも人口増加による水需要増大にダムの水量が追いつかなくなってしまったため、1960年に東江から水を引く契約をし、運河を建築して淡水をひきこむことになりました。現在に至るまで毎年莫大な金額のお金を飲料水代金として支払っているそうですが、上流の環境破壊による水量の減少に悩まされているそうです。

香港の水需要は現在においてもかなり逼迫しているようで、トイレには海水由来の塩水を使うなど数々の工夫がなされています。上水道のシステムが飲料水用とトイレの塩水用で二系統あるというのですから水不足は深刻なようです。このため香港では海水の淡水化や雨水を効率的に収集する方法、植物からの飲料水採取技術などの先端研究が進んでいます。

香港を訪れることがあったら、どうやって水を調達しているかに注目してみると面白そうですね。

ちなみに筆者は本来明日から週末まで香港へ出張の予定でしたが、 急遽キャンセルになってしまい悲しんでおります(笑)。しばらく筆者のわがまま広東料理にお付き合いください。


 
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