海棠冬菇│広東風シイタケのエビ乗せ蒸し

難易度: 調理時間:30分以内
本格広東料理を自宅で再現してみましょう。『海棠冬菇│広東風シイタケのエビ乗せ蒸し』のレシピです。スーパーで手に入る材料だけで広東料理の名菜を再現できます。ひと手間かかりますので、調理方法をよく読んで挑戦してみましょう。

さて今回は…広東料理の歴史をざーーーっと簡単に解説してみます。

広東料理はもちろん中国南部の広東省を中心とした地域の料理です。今でこそ漢族が多数居住する地域ですが、中華が今のように統一される前は「越族」と呼ばれる漢族とは別の民族が居住していました。そう!広東料理は彼ら越族の伝統料理がベースになっているのです。

始皇帝の時代は「北に胡、南に越」という異民族がいたことが記録されています。越族とひとまとめにされていますが、越族は別名を百越ともいい今の浙江省からベトナムあたりにかけての広範囲に散らばっていた多くの氏族や部族を総称した名称でした。

越族は今も生き残っており、その一部は東南アジアからインドまでのかなりの広範囲に分布しています。大きく分けると中国少数民族としても割と有名な、涇族、苗族、壯族の三つの氏族に分けることができるそうです。彼らはベトナム最古の王朝や(今はまだ伝説とされる)夏王朝の生き残りとも言われています。ちなみに純血(?)のタイ人も越族の一氏族といわれます。

その後中華の支配圏がほぼ今の形になってくると、王朝の支配が及ぶ地域を閩越(今の福建省辺り)、それより南の支配が及ばない地域を南越と呼び分けるようになりました。

ベトナムのことを中国語で越南と呼ぶのはこれが由来となっています。また広東省は略語で「粵」と書くのですが(広東料理は粵菜)、この「粵」は中国語で「越」と同じ発音で、これらの記号ももともと同じ越族であったことをあらわしています。
 
広東省もベトナムももともとはどこで国境線を引かれたかくらいの違いしかないのですが、長い時間をそれぞれの国で過ごすうちに越人としてのアイデンティティーはきれいさっぱり失われてしまったようです。

香港人がベトナム料理を食べる(もしくはその逆)と、古のDNAが騒ぎ出すかもしれませんね。


[材料]
干しシイタケ ……… 75g
エビ ……… 200g
豚ひき肉 ……… 100g
卵白 ……… 30g
カニミソ ……… 50g
ショウガ絞り汁 ……… 小さじ1/2
ネギ絞り汁 ……… 小さじ1/2
チキンスープ ……… 300cc
ラード ……… 小さじ1

[調味料]
紹興酒 ……… 小さじ1
塩 ……… 小さじ1/4
胡椒 ……… 少々
コーンスターチ ……… 大さじ1
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1

[作り方]
1.干しシイタケのいしづきを取り、水に浸けて戻しておく。干しシイタケが柔らかくなったら取り出してきつく水を絞ってから、沸騰したお湯で茹でて熱水を含ませておく。

2.エビを細かくみじん切りにする。カニミソを細かくみじん切りにしておく。

3.ボウルにエビ、豚ひき肉を入れ、ネギ絞り汁、ショウガ絞り汁、紹興酒、卵白、塩、胡椒、 を加えてよく混ぜ合わせてエビ餡を作る。

4.干しシイタケの裏面にコーンスターチを振りかけ、上に作り方3のエビ餡を適量乗せる。手で形を整えたらエビ餡の表面にカニミソを散らし、シイタケを下にして耐熱容器に乗せる。耐熱容器語と蒸し器にかけ、強火で10分ほど蒸す。蒸しあがったら取り出して器に並べる。

5.鍋にチキンスープを沸騰させてラードを溶かし、水溶き片栗粉でとろみをつける。このソースを作り方4のシイタケの上にかけて完成。

Point!
チキンスープには味の素や塩で若干濃い目に味をつけましょう。

カニミソの代わりに固ゆでにした卵黄を使ってもOK。自宅で作るならこちらの方が簡単です。

エビ餡をラップなどで包んで円柱状にして単独で蒸し、輪切りにしたものをチキンスープで煮込んだシイタケの上に乗せて作る方法もあります。

エビ餡に豆腐や干し貝柱などを混ぜてアレンジしてみましょう。 本場では出来上がりに結構な量の香菜を散らします。


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