牛軋糖│ヌガー、Nougat

難易度: 調理時間:1時間以内
最近どうも台湾を訪れる日本人の間でにわかに流行り始めている『牛軋糖│ヌガー、Nougat』のレシピを紹介します。元々はフランス生まれのソフトキャンディで、台湾では『パイナップルケーキ』に並ぶ人気菓子としてにわかに注目を集めています。まぁ、観光業界や雑誌の策略でしょうけど(笑)。

材料は日本のどこでも手に入るものばかりなので、 温度管理さえしっかり出来れば日本の自宅で作るのも難しくありません。しっかりとした温度計と道具を準備して製作してみましょう。

今回から三回連続で色々な『ヌガー』を作ってみます。お楽しみに。

「ヌガー」はもともとフランス語で Nougat と書きます。最後の t はリエゾンする場合にしか読まないのでフランス語での発音も日本語とほとんど変わりません。中国語では「牛軋糖」、アモイ辺りでは「紐結糖」などと呼ばれています。

中国では明の時代から西方から伝わり王宮にも献上されていた由緒ある伝統菓子の一つです。 一説によると逆に明から西洋に伝わったのだとも。


ちなみに台湾ではほとんどの人が「牛軋糖」と書いて Niu "Ga2" Tang と発音しています。「軋」の字は他にも Zha の発音などがあり、人によっては Niu "Zha2" Tang と呼ぶことも。しかし!これらの発音はどちらも間違いで、歴史的には Niu "Ya4" Tang の発音が正しいのです。フランス語の発音と近いので Niu Ga でも良さそうですが、軋の字はもともと「すりつぶす」の意味で使われており、この意味で使うときの発音は Ya4。明の時代に中国に伝わった時点では、確実に Niu "Ya4" Tang の発音が正式でした。


しかし近年「牛軋糖」がにわかに注目を集め、その大本がフランス菓子のヌガーであることが知られると…、ヌガーと発音の近い「Niu "Ga2" 」が一般的になり、いつの間にか定着してしまいました。その内 Niu Ga が完全に正しい読み方になってしまいそうな勢いです。正式には複数の読み方があることはみなさんも頭の片隅においておきましょう。ちなみに古い中国語の辞典ではYa4の発音で紹介されていますが、最近の辞典では「Niu "Ga2"」となっています。台湾教育部の国語辞典でも「Niu "Ga2"」ですね…。

もともと「軋」の字はYa4とZha2とGa2の三種類の発音があったのですが、Zha2の音はほとんどまったく使われないため、台湾教育部の辞書では10数年前に削除されてしまいました。 更にことを面倒くさくしているのはこの教育部発行の国語辞典。なんとフランス語のヌガーを語源とする牛軋糖の読みはもともと Zha2 と発音するのが正式であったそうで、Zha2の読みを削除する時にGa2に合流させることを決定してしまい Niu Ga2 の発音が教育部によって正式に認められてしまったのです。結局どの発音でも正しいことになってしまいますが、ここは"長いものには巻かれろ"の精神でNiugatangと発音しておくのが間違いなさそうです。『牛軋糖』の発音に関しては次回以降のコラムでまた取り上げます。

さて、台湾で食べられる『ヌガー』はほとんどがメレンゲを使った軽い食感の白っぽい『ヌガー』(フランス語ではNougat de Montélimar│ヌガー・ド・モンテリマール)です。今回のレシピもこちらを作ります。

いくつか道具を用意する必要がありますが、慣れると色々な『ヌガー』を自作できるので、この機会にそろえておいてもよいでしょう。高価な道具も必要ありませんしね!

それでは第一弾『牛軋糖│ヌガー、Nougat』のレシピです。温度管理が命!


[材料1]
水あめ ……… 370g
 (色が着いていてもよいがなるべく透明なほうが真っ白いヌガーが出来る)
砂糖 ……… 180g
塩 ……… 一つまみ
熱湯 ……… 100cc

[材料2]
卵白 ……… 1個
砂糖 ……… 大さじ1/2

[材料3]
無塩バター ……… 75g
粉ミルク ……… 100g
ナッツ類 ……… 200g
 (ピーナッツ、胡桃、アーモンド、カシューナッツ、カボチャの種などなんでもよい)

[道具]
温度計
 (製菓用で140度程度を測れるもの)
量り
オーブン
 (オーブントースターでも良い)
クッキングシート
麺棒

その他ボウル、バットなどの容器や撹拌機、木ベラなど

[作り方]
1.オーブンを150-170度まで加熱し、ナッツ類を入れて10分ほど火を通しておく。火が通ったら取り出さずに熱いままのオーブンに入れておく。

2.材料1の水あめ、砂糖、塩、熱水をすべて鍋に入れて温度計で温度を測りながら弱火で加熱し、よくかき混ぜながら約125-128度まで熱する。

3.材料2の卵白と砂糖を混ぜて泡立て、固めのメレンゲを作る。 バターを湯煎などにかけて完全に溶かしておく。粉ミルクをはかりとっておく。バットにクッキングシートをひいておく。

4.(→Point参照) 作り方2で加熱中の水あめを少しずつ過熱しながら132-135度まで熱し、すぐに作り方3のメレンゲに加えてよく混ぜ合わせる。全体が均一に混ざったら溶かしておいたバターを加えて、よく混ぜ合わせる。全体が白っぽくなったら更に粉ミルクと作り方1で加熱しておいたナッツ類を加え木ベラなどで均一に混ぜ合わせる。全体が流動性を持っているうちにすばやくクッキングシートを敷いたバットに移し、上からもクッキングシートをかぶせて麺棒で上下左右に押し広げて均等な厚さ(2-4cmほど)に延ばす。

5.そのまま生地が固まるまで放置し、完全に固まったらクッキングシートを外して包丁で食べやすい大きさに切り分けて完成。

Point!
作り方4からは時間との勝負です。すべての材料と道具を準備してから手早く作業しましょう。

水あめを加熱するときの温度で最終的な硬さが変わります。水あめの温度が熱いほど硬く、低いほど柔らかくなりますが、低すぎると食べにくいばかりかきちんと固まりません。少なくとも125度以上、水あめと混ぜ合わせる熱水がよく沸騰するくらいの温度で作りましょう。温度が高すぎると卵白が変色して黄色っぽいヌガーになります。また冬季は生地の温度が下がりやすいため、メレンゲと混ぜ合わせるボウルを熱水で湯煎しながら混ぜ合わせるなど工夫してください。さらに材料を混ぜ合わせるたびに溶解熱により温度が下がって行きます。粉ミルクを入れるまでに生地が固まってしまうと失敗ですので、ナッツ類は余熱を持っている状態で混ぜ込みましょう。1度単位の温度で食感がガラリと変わりますので、試行錯誤が必要となります。

砂糖の量は好みで増減してください。

このくらいの量ならバットを用意しなくてもまな板の上に直接クッキングシートを敷いて作れます。

生地に何かを混ぜ込むよりは、ナッツ類の代わりに何かを入れた方が簡単に味の変化を楽しめます。ドライフルーツ類がおすすめです。


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