台湾の屋台でよく見かける『芋籤粿│サトイモ餅』のレシピを紹介します。サトイモ(タロイモ)の千切りをでんぷんで固めたもので、通常は『鹽酥雞』や『滷味』の店で食べられます。うっすらとして甘みとサトイモのホクホク感、そしてでんぷんのモチモチ感が面白い日本にはない料理です。『芋籤糕』、『水晶芋籤粿』などとも呼ばれます。
サトイモは東アジアからヨーロッパまで、ほぼユーラシア大陸全域で栽培、食用にされるタロイモの一種です。漢字圏以外の国ではほぼ Taro で通じます。原産地は東南アジアからインドあたりとされています。
インドネシア語のWikipediaを見てみると、「タロイモは地域によって様々な名前で呼ばれる」と書かれていました。タロイモのインドネシア語標準名は Talas ですが、これ以外の地方名の多いこと多いこと。
keladi, misalnya talé, kĕladi, sukat, suhat, seuhat, suwat (バタク語)
taro (ニアス語)
taléh, kaladi, kuladi (ミナンカバウ語)
talos, kĕladi (ランプン語)
talĕs, kĕladi, kujang, luèh (ダヤク語)
taleus, bolang (スンダ語)
tales (ジャワ語)
talĕs, kaladi (マドゥラ語)
talĕs, kladi (バリ語)
talé, koladi, kolai, kolei, korei, kore (北スラウェシ語)
aladi, suli, kosi, paco (南スラウェシ語)
lole, ufi lole (ティモール語)
inane, inano, inan, ina wuu, ronan, kětu, etu, hakar, wakal, gwal (マルク語)
bètè, ota, dilago, komo (北マルク語);
nomo, uma, warimu, hèkérè, sèkéré, ifen, yéfam (パプア語)
それぞれの言語はインドネシア国内における方言とされますが、同言語グループに属さない方言間では意思疎通が不可能です。四億の人口を抱える多民族イスラム国家のインドネシアらしい現象ですね。まぁ半分くらいは Taro、Talas の変化形っぽいので、それっぽいこと言えば通じそうではあります。
台湾原住民の間ではタロイモは主要な作物として古来から栽培されており、これがハレの食物であるか、ケの食物であるかが部族によって違います。祭祀時にどういう食物を食べるかというのは部族の起源を知るうえで非常に重要な要素です。これによると蘭嶼諸島のヤミ族はフィリピン方面からわたってきた民族で、台湾土着の原住民ではないことが示唆されています。とはいえフィリピン方面の原住民族ももとをただせばさらに古代に台湾から海を渡った人々の可能性が高いので、ヤミ族は数千年の時を超えた出戻りとも言えます。
日本のサトイモは数あるタロイモの品種の中で、最も北方で栽培が可能なものです。原産地である東南アジアではどんなサトイモ料理が食べられているのでしょうか?世界中のタロイモ料理を食べつくしてみたいものですね。
[材料]
サトイモ ……… 600g
サツマイモデンプン ……… 200g
ジャガイモデンプン ……… 100g
温水 ……… 400cc
[調味料]
砂糖 ……… 80g
塩 ……… 少々
[作り方]
1.サトイモの皮をむき、千切りにする。
2.ボウルにサツマイモデンプン、ジャガイモデンプン、砂糖、塩を入れてよく混ぜ合わせ、温水を少しずつ加えながらダマにならないように混ぜ合わせる。
3.作り方1のサトイモと作り方2の生地をよく混ぜ合わせる。小さめのバットにアルミホイルを敷き、上から厚さ2-3cmほどになるように生地とサトイモを注ぐ。表面を平らにならしたらバットごと蒸し器にかけ、強火で30-40分蒸す。
4.火が通ったら粗熱が取れるまで冷まし、アルミホイルを外して取り出す。食べやすい大きさに切って完成。
Point!
出来立てはそのまま食べられます。軽く塩コショウを振ったり、醤油やケチャップを付けて食べるとよいでしょう。きな粉と砂糖醤油という組み合わせも意外においしいです。
冷凍しておけば長期間保存できます。
冷凍しておいたものは解凍し、フライパンで焼いたり油で揚げたりして食べましょう。
デンプンの一部、50gほどをもち米粉に置き換えるとモチモチ感が増します。ただし蒸しあがりの熱いうち型崩れしやすいのでしっかり冷ましてから取り出してください。
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