アジアンカレーシリーズ第三弾、これを紹介せずしてアジアンカレーは語れない!
2011年CNN Travelが発表した「World's 50 Best foods.(世界で最高の料理50選)」で見事に一位を獲得した『แกงมัสมั่น、Kaeng matsaman、Chicken Massaman Curry│マッサマンカレー』のレシピを紹介します。(ちなみに日本の『寿司』は、イタリアの『ナポリタンピザ』、メキシコの『チョコレート』に続き第四位!)
キングオブカレーとも言われ、数あるタイ料理の中でも特に欧米で絶大な人気を誇ります。日本ではあまり有名ではありませんが、一度口にすればその上手さと香りに世界ナンバーワンの料理といわれるのも納得です。タイには他にも『グリーンカレー』、『イエローカレー』、『レッドカレー』など良く知られた様々なカレーがありますが、この『マッサマンカレー』を紹介しないわけには行かないでしょう。
それではタイの基本情報です。
Kingdom of Thailand(タイ王国)
マレー半島北部からインドシナ半島中央にかけて存在する立憲君主制の国家で、スペインとほぼ同じ約500,000平方キロメートルの国土に日本の約半分の6700万人の国民が住んでいます。1782年から現在まで続くチャクリー王朝が現在のタイの王族です。首都バンコクに王宮があり、観光もできます。民族別人口比はタイ族75%、華人14%、その他(マレー系、インド系など)となっています。公用語はタイ語で、日本よりも英語が通じますが、中国語はあまり通じません。
古くから米の生産が盛んな地域で、チャクリー王朝以前のアユタヤ王朝時代(14世紀~)から国民が飢饉にさらされたことはほとんどありません。近代以前は農奴が米を生産し、貴族に税を支払い、そこから自分たちの必要分を確保してなお米が余るので、それを仏教徒に喜捨して養うという社会制度がありました。タイは現在でも世界最大の米輸出国です。食の安定供給がなされたタイでは古来より仏教が隆盛を極め、現在でもアジア有数の仏教国であり、国内の多くの寺院では僧侶たちが日々修行に明け暮れています。
1980年代から驚異的な経済発展を遂げましたが、1997年にタイ発のアジア通貨危機を引き起こします。2005年までに経済の停滞は改善され、以降は順調に経済成長を続けています。第二次世界大戦後に国民の社会格差が増大し、特に国境地域で売春、賭博、麻薬などの非合法経済が拡大しました。政府はこれを改善するため教育の普及に努め、現在は識字率95%以上と日本やシンガポール並みの水準を達成しています。この教育政策により増大した中流階級層を新たなターゲットとして多くの海外企業がタイに進出してきており、経済の好循環を招いています。
対タイ投資額、貿易額、援助額はここ数十年一貫して日本がトップで、日本企業や政府との結びつきが非常に強い国家であります。
ちなみに首都バンコクは外国での呼び名で、タイ語での正式名称は恐ろしく長い「กรุงเทพมหานคร อมรรัตนโกสินทร์ มหินทรายุธยา มหาดิลกภพ นพรัตน์ราชธานีบุรีรมย์ อุดมราชนิเวศน์มหาสถาน อมรพิมานอวตารสถิต สักกะทัตติยวิษณุกรรมประสิทธิ์/クルンテープマハナコーン アモーンラッタナコーシン・マヒンタラアユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラッタラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーンアワターンサティット・サッカタットティヤウィサヌカムプラシット/Krungthepmahanakhon Amonrattanakosin Mahintharayutthaya Mahadilokphop Noppharatratchathaniburirom Udomratchaniwetmahasathan Amonphimanawatansathit Sakkathatiyawitsanukamprasit」となります。現地の人でも覚えられないので、最初の部分を取って「クルンテープ」と呼んでいるようです。またバンコクは市ではなく首都府なので、東京と同じようにバンコク都と呼ぶのが正しい用法になります。覚えておきましょう。
安定した経済発展とは裏腹に政情はかなり不安定で近年も軍事クーデターが発生したり、デモが頻発したりなど、社会不安が増大しています。しかし豊富な観光資源、安定した経済発展、高い識字率、親しみやすい国民性、そして魅惑のタイ料理は多くの日本人を引き付けて止みません。
というわけで、世界最高の味覚とされた『แกงมัสมั่น、Kaeng matsaman、Chicken Massaman Curry│マッサマンカレー』。材料をそろえて挑戦してみて下さい。調理自体は驚くほど簡単です。
[材料1]
鶏肉 ……… 1.2kg
ジャガイモ ……… 150g
[材料2]
ココナッツミルク ……… 100cc
コブミカンの葉 ……… 3枚
バジル ……… 30g
[材料3]
ブラックペッパー(黒胡椒) ……… 小さじ1/2
ナツメグ(肉豆蔻) ……… 小さじ1/2
コリアンダーシード(胡荽) ……… 小さじ1
フェンネル(小茴香) ……… 小さじ1/2
レモングラス ……… 10g
エシャロット ……… 150g
ニンニク ……… 4個
トウガラシ(辣椒) ……… 大さじ3
ガランガル(南姜) ……… 25g
(なければショウガで代用する)
[材料4]
ピーナッツ ……… 30g
パームシュガー ……… 大さじ2
タマリンドジュース ……… 大さじ6
(タマリンドペースト小さじ3を水大さじ6に混ぜる)
シナモン(肉桂) ……… 2g
ココナッツミルク ……… 600cc
トマト ……… 130g
紫タマネギ ……… 120g
[材料5]
ココナッツミルク ……… 150cc
[調味料]
塩 ……… 適量
[作り方]
1.鶏肉はよく洗って一口大に切り分ける。ジャガイモは皮をむき、一口大に切る。エシャロット、ニンニク、ガランガルは皮を剥いてみじん切りにし、その他の材料3の香辛料とあわせてフードプロセッサーなどであわせて粉砕しておく。パームシュガーは潰してペースト状にしておく。トマトはヘタを取り、大きくさいの目に切っておく。紫タマネギは皮をむき、一口大に切っておく。
2.鍋に材料2を全て加え、よくかき混ぜながら弱火で加熱して沸騰させ、続いて材料3の香辛料ペーストを加えて香りが出るまで弱火で炒める。
3.作り方2の鍋に材料1を加えて中火で2-3分ほど炒めたら、材料4を加えて沸騰させ、弱火で1時間以上全ての材料が柔らかくなるまで煮込む。最後に材料5のココナッツミルクと塩で味を調えたら完成。
Point!
ガランガル(南姜)は乾燥品を使う場合は15gに量を減じてください。
日本料理ではなじみのない食材ばかりですが、タイ料理ブームを受けてか食材は全て日本で揃います。以下にAmazonのリンクを載せておきますので、参考にして下さい。香辛料は甘口男でも売っています。
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