さぁ、本日の薬膳料理は『水蛭飲│水蛭ドリンク』。沸きあがる悲鳴を抑えてお読みください。
この料理で使う生薬「水蛭(すいてつ)」は漢字の通り、ヒルを乾燥、または乾燥させて黒焼きにしたたもの。非常に強力な瘀血(悪い血がたまったもの)の改善効果があり、子宮の血流が悪くて生理が来ない、不妊症、打撲、冠血管障害、血栓性静脈炎、脾臓切除後の予後改善、脳圧亢進、高脂血症など各種の血液の病気に使われます。
ヒルはその吸血性と外面の気持ち悪さから非常に忌避される存在ですが、医療用として世界中で使用されており、現代でも研究が進んでいます。ヒルの唾液腺から分泌されるヒルディンというタンパク質は非常に強力な血液凝固阻害作用があり、世界中で応用の研究が進められています。血栓を溶かし、血流を改善し、血管壁を柔らかくし、弾力を増し、丈夫にするという血流改善のほぼ全段階に作用することが分かっており、多くの現代病に応用が期待されているのです。
中国では伝統的に血液をサラサラして病気を治すという治療に使われ、インドではできものを吸わせたり、眼圧亢進に眼球に貼り付けたり(!)して使います。英国では古くから外傷の治療に用いられてきました。現代医学では切断された指や耳などを縫合したあと、患部周辺に無菌のヒルをつけておく事で神経や血管の修復が促進され回復も早くなることがわかり、多くの病院で臨床応用されています。もちろん日本でも!気持ち悪い外見からは想像出来ないほどの健康・医療効果があることがお分かりでしょうか。
現在医療用として使われるのは、多くのヒルの仲間のうちの3種類のみで、全て中国南部で養殖されています。このヒルの養殖場というのもなかなか面白いものらしく、筆者がいつか一度尋ねてみたいと思っている場所の一つです。
水蛭が初めて書籍に登場するのは《神農本草経》で、下品の虫魚項に載っています。抜き出してみましょう。“ 味鹹、平。主逐惡血、瘀血、月閉(《御覽》作水閉)、破血瘕積聚、無子、利水道。生池澤。《名醫》曰:一名、一名至掌。生雷澤。五月、六月採、曝乾。案:《說文》云:蛭、蟣也、蛭、至掌也。《爾雅》云:蛭蟣。郭璞云:今江東呼水中蛭蟲入人肉者、為蟣。又蛭、至掌、郭璞云:未詳、據《名醫》、即蛭也。 ”
上のように古来より悪い血を駆逐し、滞った血の固まり流し去る効能が注目されていたことがわかります。なにせヒルディンは現在知られている天然由来の血液凝固阻害成分の中で最も強力なものなのです。血流が悪いなという方は、ぜひ偏見を捨てこの『水蛭飲│水蛭ドリンク』をお試しください。
[材料]
水蛭 ……… 3g
水 ……… 600g
[調味料]
砂糖 ……… 15g
[効能]
能破血、逐瘀、通経。婦女閉経、積聚、打撲、目の充血、飛蚊症、冠血管障害、血栓、高脂血症、血腫など。
[作り方]
1.水蛭を弱火で炙って水分を飛ばし、ミキサーなどで粉状に粉砕する。
2.鍋に水を入れ作り方1の水蛭粉を入れて沸騰させ、弱火で25分煮込む。砂糖を加えてよく混ぜたら完成。
Point!
血液凝固阻害の作用があるため、妊婦さんに飲ませてはいけません。禁忌です。
水蛭は結構高価な薬物で、日本で買うと10gで5000円位します。
甘口男では50gを5000円で販売しております。もちろん台湾で医療用に使われる高品質なものです。飲み方や健康のご相談にも乗りますので興味のある方はメールでご連絡ください。
0 件のコメント:
コメントを投稿