難易度:☆、☆☆ 調理時間:30分以内
福建ワンタン最終章『太平燕』のレシピを紹介します。熊本のものは春雨スープですが、本家福建のものは前回のレシピのようにワンタンスープです。
前回『小長春』のPointにもちょこっと書きましたが、元祖『太平燕』は『小長春』に茹でた鴨の卵を載せたもの。福建語で鴨の卵「鴨卵」と圧乱の音が似るため、「乱を鎮圧する」即ち「太平」の名が付きました。名の由来から分かるようにアヒルの卵は必須の材料なのですが、レシピではウズラの卵で代用しています。本場中国ではウズラの卵で代用するどころか卵が入っていない、もはや『小長春』と区別のできない『太平燕』すらあるので、名前の由来はみんな忘れてしまったようです(笑)。(写真も卵の入ってない太平燕です。)
明治時代に福建の港を出立した華僑の一人が熊本に伝え、日本で手に入りにくいアヒルの卵が普通の鶏卵に、ワンタン(『肉燕』)が春雨に置き換わって現在の日本のものになりました。筆者も故郷福岡で一回だけ食べたことがあります。本州以北の人は食べたことありますか?
という分けで今回は福建省発の元祖『太平燕』、日本のものとは味も形も異なりますが、普通のワンタンを使えば簡単に再現できるので挑戦して見てください。もちろん台湾では探せば結構食べられます。
[材料]
肉燕 ……… 20個
(普通のワンタンで代用してもよい)
エビ ……… 70g
ウズラ卵 ……… 10個
ショウガ ……… 少々
ネギ ……… 少々
中華スープ ……… 700cc
[調味料]
塩 ……… 適量
味の素 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
[作り方]
1.ウズラの卵を湯がいて茹で卵を作り殻を剥いておく。ショウガは細く千切りにする。ネギはみじん切りにする。
2.沸騰したお湯で肉燕を茹でて火を通し、器に盛りつける。エビは殻をむき、沸騰したお湯でゆでて火を通しておく。
3.中華スープを鍋にかけてショウガを加えて一煮立ちさせ、塩と味の素で味を調える。作り方2の肉燕の器に中華スープを加え、ウズラの卵とエビを盛り付ける。最後にネギを散らし、胡椒を振りかけて完成。
Point!
肉燕を普通のワンタンで代用さえすれば一気に☆一つくらいの簡単料理になります。普通の方はワンタンで作りましょう。
タケノコ、ニンジン、シイタケなどの様々な具を加えて『什錦太平燕』にしたり、イカなどの海鮮類を加えて『海鮮太平燕』にしたり、変わったところではトマトを加えた『番茄太平燕』など…、スープ料理ならではの派生料理がたくさんあります。みなさんもオリジナルの太平燕作りに挑戦してみてください。
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