2013年12月9日月曜日

蝦棗湯│福建風エビ団子のスープ

難易度:☆☆ 調理時間:30分以内
最近流行の福建エビ料理シリーズ第三弾!今回は福建省漳州市は招安県の特産料理である『蝦棗湯│福建風エビ団子のスープ』を紹介します。

エビと豚ひき肉、砕いたクワイを混ぜ合わせたエビ団子を中華スープで食べる料理で、本来はクログワイというクワイの栽培品種を使って作ります。水田に生える雑草にクログワイという和名を持つものがありますが、食用のクログワイとは別物です。

名前こそクログワイですが色はほとんど真っ白なので、出来上がるエビ団子に色は付いていません。この料理はその小さなエビ団子がまるで棗の実のように見えるため『蝦棗湯』と呼ばれ、今回はレシピを簡単にするために普通のクワイを使っています。食用のクログワイは日本でも一部地域で手に入るそうなので、入手したら本格的に挑戦してみましょう。

さて、台湾を語る上で避けることができないのが福建省の泉州と漳州です。両州は明朝末期から台湾に多くの漢人の移民をもたらしました。泉州は北宋時代に貿易省庁である市舶司が置かれて以降急激な発展を遂げ、朱子学で有名な朱熹など多くの著名な文人を輩出したことでも有名です。福建省はもともと耕作地が少ない上、海上貿易の拠点として非常に発達したため、中世に人口爆発が起き、台湾をはじめ、東南アジア、シンガポール、日本などへ近代までに多くの華僑を送り出してきました。近年日本でも問題視されたスネークヘッドの不法移民の多くも、福建省とくにアモイから出航した人々だといわれています。

現在の福建省は大きく分けて福州市、廈門市、田市、泉州市、州市、南平市、竜岩市、寧徳市に分けられ、古くは福州、建州、泉州、漳州、汀州、南剣の六州と邵武、興化の二群に分けられました。福建省からの移民によって開拓された台北では市内の大きな道には大体福建省の地名が付けられています。台湾上級者には馴染みのある地名が多いのではないでしょうか?

台湾を語る上では避けて通れない福建省、その福建省の名物料理を日本の食卓でも味わってみてください。これぞ福建料理!という滋味深い味わいの料理です。美味しいですよ!


[材料]
エビ ……… 250g
豚ひき肉 ……… 40g

[調味料]
クワイ ……… 50g
卵白 ……… 2個
塩 ……… 適量
味の素 ……… 少々
胡椒 ……… 少々
中華スープ ……… 250cc

[作り方]
1.エビはよく洗って背ワタをとり、キッチンペーパーなどで水気を吸い取っておく。クワイは包丁などで叩いて砕いておき、水気を切っておく。

2.エビと豚ひき肉、砕いたクワイを混ぜ合わせ、卵白、味の素、塩を加えてから粘りが出るまでよくかき混ぜておく。

3.鍋に揚げ物油を入れ170度まで熱し、直径4cmほどに丸めた作り方2のエビ餡を入れて火を通す。これを蝦棗と呼ぶ。

4.鍋に中華スープを沸騰させ、作り方3の蝦棗を浮かべる。余分な油を取り除き、味の素、胡椒で味を調えたら完成。

Point!
エビが大きすぎる場合は切り分けて大きさを調節して下さい。

手に入る方はクロクワイやその他の黒い野菜で代用してみて下さい。普通のクワイで作るなら、すりおろしたゴマを表面にまぶしてもいいと思います。

クワイなんて知らないよという方は、大根おろしと少量の片栗粉や、すりおろした人参などで代用してみて下さい。カラフルなエビ団子が作れます。

実際のスープは様々にアレンジされたものを使います。日本のいろんなスープにも合うと思うので、いろいろと工夫して見ましょう。


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