2013年11月29日金曜日

脆圓│脆円、台湾ほろろ白玉

難易度:☆☆ 調理時間:1時間以内
本日は『脆圓│脆円、台湾ほろろ白玉』という台湾のデザートを紹介します。台湾南部では『粉角』とも呼ばれる台湾に独特のデザートで、モチモチとした独特の食感が特徴です。

現在台湾の北部では単品のデザートとしてよりも、『豆花』、『紅豆湯』、そして飲料の具として使われることが多いですが、南部ではまだシロップで食べる『脆圓(粉角)』を提供している店も多くあります。

もともとタピオカ粉を使ってつくる『脆圓』は非常にプリプリモチモチとした食感(Q感)が売りの伝統デザートでしたが、数年前に食感を追求するあまりなんと「硼砂(ホウシャ)」を混入していたことが分かりました。中華民族の食の追求心(?)はときに恐るべき結果を招きますね…。

「硼砂」には高分子を架橋する働きがありますが、澱粉には直接作用しないはずなのでおそらく他の有機化合物も混ざっていたのでしょう。というかまんまスライムですね…。台湾は時々(ほぼ毎月…)こういった「食の安全」に関する報道があるので気が抜けません。何も知らずに「独特の食感!」と喜んで食べていた人は、地獄に突き落とされたような気持ちだったでしょう。ちなみに硼砂は胃酸により「ホウ酸」に変化し毒性を発揮します。子供なら3-5gで死んでしまうほどです。

近年この手の「食品添加物事件」は大きく乱高下する食品原料価格と、容易に値段を変えられない食品販売店の間の駆け引きが原因になることが多いのですが、『脆圓』の場合は食感(Q感)を追求する余り…といったところでしょうか。

ここ数年台湾ではこの手の違法な添加物を加えた食品の問題が大きく取り上げられるようになりました。(それまでほぼ野放し状態だったのも驚きですが…。)日本も隣国のことと笑ってはいられませんが、美食を楽しみに台湾を訪れる外国人らにも、いつでも堂々と食を提供できるそういう国になってほしいものです。

というわけで、今回はタピオカ粉と硼砂(…)ではなく、サツマイモ澱粉を使って昔日を再現する『脆圓』を作ってみます。夏はカキ氷とシロップで、冬はぜんざいに入れて冷熱どちらでも楽しめます。

粉さえあれば簡単に作れる、子供の大好きな台湾伝統のデザートです。作り方を覚えて皆を驚かせてやりましょう。



[材料1]
サツマイモ澱粉 ……… 大さじ3
水 ……… 100cc

[材料2]
サツマイモ澱粉 ……… 110g
冷水 ……… 大さじ1-2


[材料3](スープ)
水 ……… 1鍋
砂糖 ……… 大さじ2-3

[作り方]
1.材料1を混ぜ合わせた鍋をコンロの上に置き、極弱火で沸騰しないように加熱しながら、材料1が糊状になるまで良くかき混ぜる。材料1が半透明な糊状になったら火を止めそのまま2分間かき混ぜながら冷ます。

2.作り方1の鍋に材料2のサツマイモ澱粉を少しずつ混ぜながら入れる。固さを見ながら冷水を加え、澱粉が指にくっつかないほどの固さになったら取り出す。まな板の上に適量を広げ延ばし、包丁で1-2cmほどのさいの目に切る。

3.鍋に水を沸騰させ砂糖を溶かし、作り方2の澱粉ブロックを入れる。かき混ぜながら中火で煮込むみ、膨らんで浮かんできたら掬い取って氷水に入れ冷やす。器に盛り付け、好みで温(冷)砂糖水、おしるこ、カキ氷とシロップ、『花生湯』などを注いで完成。

Point!
慣れれば30分以内で簡単に作れます。

火を使うので小さな子供と作るなら、作り方1の澱粉液をボウルに移したあと、澱粉粉と混ぜる行程を手で混ぜさせるといいでしょう。

少量のタピオカ粉をブレンドすると食感が変わります。身近にあるいろんな澱粉粉を「少量」混ぜて食感の変化をお楽しみください。

澱粉自体に味はついておらず、スープの味と食感を楽しむ料理です。甘いスープ以外の汁物にもよく合います。煮込むとすぐに溶けてしまうので、お皿に分けてからスープを注ぐようにしましょう。

食紅などで色を付けると美しいです。


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