咕嚕肉│豚肉の甘酢炒め、ゴクリ肉、酢豚
本日はなんとも奇妙な名前の料理である『咕嚕肉』という豚肉料理のレシピを紹介します。
なぜこの名前になったのかについては二つの説があり、ひとつは「咕嚕」は音を表す表音文字で「咕嚕咕嚕」と書いてグルグルと読み、喉をゴクリと鳴らす音を表しているという説。以前紹介した『口水雞│よだれ鶏』と同じように、よだれがあふれるのを我慢できないというような意味ですが、こちらは豚肉を使って調理します。
もうひとつは、もともと『古老肉』と表記した料理の音がなまって『咕嚕肉』になったという説。
一つ目の説が正しいなら日本語の料理名は「ゴクリ肉」や「ゴックン肉」とちょっとふざけた名前になってしまいます。タイトルに一応表記していますが、これが正しいわけではないので悪しからず。ちなみに酢豚は日本でアレンジされた中華料理ですが、この『咕嚕肉』や『糖醋肉』の作り方がベースとなっています。まったく同じ料理ではないので、酢豚と言い切るのは難しいのですが、酢豚と呼んでもいいことにしましょう。というわけで、日本での名前は酢豚(見たいなもの)です。
表記には数種類あり『咕咾肉』、『甜酸肉』などと書かれることもあります。非常に有名な広東料理の一つで、清朝末期に上海を訪れた欧米人によって西洋に紹介され、今では世界各地の中華レストランで食べることができます。ひろく世界中で愛されている中華料理の一つです。英語名を『Sweet and sour pork』といい、こちらは『甜酸肉』の直訳であることが分かります。(もしかしたら『甜酸肉』の方が、英語の逆輸入かもしれませんが…。)
通常は痛めた豚の肩肉と咕嚕ソースというケチャップベースの甘辛いソースを絡めた料理ですが、材料を豆腐やエビに変えて『素咕嚕肉』や『咕嚕蝦仁』という料理を作ることもあります。ちなみに韓国ではこの料理を『탕수육│糖水肉』と呼び、中華料理屋で食べられます。
白ご飯や麺類との相性が非常にいい料理です。晩御飯のおかずに作ってみてください。世界を魅了した中華料理の一つです。
難易度:
☆☆
調理時間:
1時間以内
材料:
豚肩肉 ……… 600g
ピーマン ……… 1個
タマネギ ……… 半個
唐辛子 ……… 1本
醤油 ……… 小さじ1
卵黄 ……… 2個
片栗粉 ……… 大さじ1
水 ……… 適量
小麦粉 ……… 適量
調味料:
酢 ……… 200cc
ケチャップ ……… 100cc
砂糖 ……… 150g
塩 ……… 小さじ1
ニンニク ……… 4個
調味料2:
片栗粉 ……… 小さじ1/2
水 ……… 適量
作り方:
1.ピーマン、タマネギはぶつ切りにする。唐辛子は1/3に切り分ける。調味料のニンニクはみじん切りにし、その他の調味料と混ぜ合わせておく。
2.豚肩肉を約3cmの厚さに切り分ける。材料1の片栗粉は三倍の水と混ぜ水溶き片栗粉を作る。
3.醤油、卵黄、水溶き片栗粉をよく混ぜ合わせ、作り方2の豚肉表面に絡めておく。
4.作り方3の衣を付けた豚肉表面に多めの小麦粉をまぶし、手のひらでざっくり球状に整形する。余分の粉を落とし、160度に熱した油で表面がきつね色になるまで炒める。
5.別の鍋にサラダ油(分量外)をひき、ピーマン、タマネギ、唐辛子を炒める。作り方1の混ぜ合わせた調味料を加え、調味料2の水溶き片栗粉でとろみをつける。
6.炒めた豚肉を作り方5のソースと絡めながらしばらく炒めたら完成。
Point:
韓国や上海ではソースにはクチナシの実で赤い色を付けることがあるのですが、ケチャップだけで十分なので、このレシピでは使っていません。
ニンジンやパイナップルを加えて作ることもあります。作り方5時点で好みで加えましょう。
このレシピ通り作るとかなり酸っぱくなりますが、気になる人は酢の量を半分に、残りを水で置き換えて作ってください。
中国では肉をブロック状に、韓国では細長く切って作ります。 豚肩肉以外を使ってもOKです。
酢豚を作って、中国人に『咕嚕肉』と言い張っても通じるくらい似ています。 果たしてその違いは…。
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