久しぶりの薬膳の紹介。残暑で体にたまった熱や乾燥を清め潤わせる薬膳『三寶豬肉湯│三宝豚肉スープ』のレシピを紹介します。三種類の薬材と豚肉を甘いスープに仕立てます。この時期喉が渇いたり、どうも体が火照るような気がする方にピッタリの料理です。
この料理に使う三種類の薬について解説します。
百合(びゃくごう)
ユリ科ユリ Lilium brownii F. E. Brown またはオニユリ L. alancifolium Thunb. 、イトハユリ L. pumilum DC. などの鱗片で、生薬としてはびゃくごうと読みます。ご存知美しいユリの花の鱗片です。潤肺止咳、清心安神の効能があります。
蓮子(れんし)
ハス科ハス Nelumbo nucifera Gaertn. の成熟種仁で、いわゆる蓮の実です。中野胚芽(蓮心)がついているままのものと除いたものがあります。補脾止瀉、益腎固精、養血安神の効能があります。別名を藕実ともいい、中国大陸部ではこの名称を用いることも多いです。粉にしたものでクッキーも作れます。(今ふと思いつきましたが、刻んだナツメと砂糖水で煮出した百合片を混ぜ込んで、この料理そのままの薬膳クッキー作れますね。結構美味しそうです。)
大棗(たいそう)
クロウメモドキ科ナツメ Ziziphus jujuba Mill. var. inermis (Bge.) の成熟果実で、普通の料理にもよく使われる中華食材の一つです。補注益気、養血安神、緩和薬性の効能があります。台湾では紅棗と呼ばれるものが、日本の大棗にあたります。
簡単にこんな感じです。三つの薬すべてに安神の作用があるので、不眠症や不安症などにも効くでしょう。蓮子は大腸を乾燥させて下痢を止める作用があるので、大便が乾いて固まり便秘になっているような人にはおすすめできません。
これに豚肉の滋養の効能が加わって、全体として補血養心、清熱潤燥、補虚安神、健脾滋陰などの効能となります。塩で味付けしてもいいですが、百合の入った薬膳はだいたい甘く作るので、一度レシピ通りでお試し下さい。
[材料]
豚肉 ……… 500g
百合 ……… 100g
蓮子 ……… 100g
大棗 ……… 20個
水 ……… 適量
[調味料]
氷砂糖 ……… 適量
[効能]
補血養心、清熱潤燥、補虚安神、健脾滋陰など
[作り方]
1.豚肉を食べやすい大きさの塊に切り、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。
2.鍋に豚肉と蓮子、適量の水を入れ、蓋をして中火で30分ほど煮込む。蓮実が少し柔らかくなったら、百合、大棗を加え、それぞれ軟らかくなるまで弱火で煮込む。最後に氷砂糖を加えて少しずつ溶かしながら味を整えて完成。
Point!
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