2015年8月16日日曜日

新疆饢包肉│新疆風ピザ

難易度: 調理時間:2時間
新疆はウイグル族の宴席料理『新疆饢包肉│新疆風ピザ』のレシピを紹介します。円形の『ナン』の上に羊肉のシチューを乗せて食べる料理です。今回のレシピでは羊肉のシチュー作りがメインですが、新疆風の『ナン』も使うのでこちらも作れるようにしておきましょう。

新疆風の『ナン』の作り方はこちら

ウイグルとは中央アジアから中国新疆ウイグル自治区に住むテュルク系民族の末裔を指す単語です。定義によってかなりの幅はありますが現在1千万人ほどがいるといわれています。古代から現在まで様々な変遷を経ており中央アジア各国全域に分布しているため一言で言い表すのはとても難しいのですが、ウイグル語を話すこととムスリムであることをほぼ共通の特徴としています。

古代の大国はこの辺りに住む住人を一括りにして突厥(中国)、カルルク(ペルシャ)などと呼んでいましたが、もともとこの地域に住んでいた人々は独自の民族名を持っていませんでした。もともとが遊牧民族で、土地に対する執着が希薄であったため、一つの土地に住む民族という概念が生まれにくかったのが原因だといわれています。(突厥という単語も定義によってかなりの幅があるのですが、ここでは中央アジアに住んでいる遊牧民族の総称のようなものだと考えてください。)その内またまとめる機会もあるかと思いますが、とにかく「ウイグルはもともと独自の文化と歴史を持った漢族とは別の民族である」ということは覚えておきましょう。筆者自身もまだ勉強中ですので…今回はこの辺で(笑)。
 
今回紹介する料理は中国のウイグル族独自の料理というわけではなく、上記のウイグルの居住する広範囲な地域で類似の料理が食べられます。中国語では単に『饢包肉』とも。まぁ今回の「新疆」風だけあって『新疆饢包肉│新疆風ピザ』のレシピはラー油を使ったりと中国風のアレンジがされていますが。ちなみに食べ方は『ナン』で羊肉を包み、ソースをすくって手で食べます。箸やフォークは外道です。ちょっと手間はかかりますが、インドカレーにも通じる面白い料理です。

台湾ではイスラム料理店で食べられます。台湾長期在住者はたまには趣向を代えて、各地に隠れ家のように存在するイスラム料理店を訪ねてみるのも楽しいですよ!


[材料1]
皮付き羊肉 ……… 500g
ナン ……… 1枚
ネギ ……… 5gショウガ ……… 5g
タマネギ ……… 5g
水あめ ……… 小さじ1
水 ……… 適量

[材料2]
草果(カルダモン) ……… 1個
月桂葉(ローリエ) ……… 3g
桂皮(シナモン) ……… 1g
孜然粉(クミン粉) ……… 1g

[調味料]
塩 ……… 小さじ1/4
酒 ……… 大さじ1
トウガラシ粉 ……… 1g
ラー油 ……… 大さじ1/2
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1


[作り方]
1.皮付き羊肉を一片4cmのさいの目に切り、沸騰したお湯にくぐらせてあくを抜いておく。ネギをぶつ切りにする。ショウガをうす切りにする。タマネギを千切りにする。

2.水あめを適量の熱水(分量外)で溶いて作り方1の皮つき羊肉の表面にまぶしておく。

3.鍋に揚げ物油を160度に熱し、作り方2の羊肉を入れてきつね色になるまで揚げる。羊肉に火が通ったら取り出して油を切っておく。

4.作り方3の羊肉を揚げ終わった鍋に少量の油を残し、ネギとショウガを入れて香りが出るまで炒める。続いて取り出しておいた羊肉と材料2の草果(カルダモン)、月桂葉(ローリエ)、桂皮(シナモン)と羊肉が浸かるほどの水、酒、塩を加えて加熱して沸騰させる。沸騰したら弱火にし、蓋をして1時間ほど肉がやわらかくなるまで煮込む。羊肉が柔らかくなったら香辛料とネギ、ショウガを取り出しておく。

5.ナンを適当な大きさに切って大きめの器に盛りつけ、上から作り方4の羊肉とスープをかける。作り方4の鍋に少量のスープを残し、 孜然粉(クミン粉)、トウガラシ粉、作り方1のタマネギを加えて混ぜ合わせてから加熱して沸騰させる。タマネギに火が通ったら火を止めて水溶き片栗粉を加えてとろみを付け、最後にラー油を散らして風味をつける。このソースを作り方4のナンに乗せた羊肉に振りかけて完成。

Point!
羊肉を煮込む段階でスープに味を付けておきましょう。レシピでは塩の量だけで味を整えていますが、シチューの素やケチャップ、野菜ジュースを加えると味に深みが出てよいでしょう。またジャガイモやニンジンを加えて作る方法もあります。

ピリ辛に仕上げるのが味付けのポイントです。トウガラシ粉の量で辛さを調節しますが、四川料理のように辛味を前面に押し出してはいけません。


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