日本統治時代に商社によってインドから試験的に導入された(当時)南洋種と呼ばれたマンゴーの生き残りを品種改良したもの。また近年アメリカなどから導入した緑色の品種も同じ名で呼び、品種の混乱が起きている。
日本統治時代に三井物産によって導入されたいくつかの品種のうちの一つ、おそらくAroemanis種が台湾に馴化したもの。当時数年の試験栽培が行われたものの熱帯原産種のため台湾の気候に馴染まず、経済栽培が見送られた。そのまま近年まで忘れられた存在であったが、残された株は現地農民らの手によって栽培を続けられ、台湾の環境に適応して行った。その独特の外観と香りから近年珍重されるようになり人気が高まっている。
日本統治時代に導入されたものはほぼすべての株が台南縣官田鄉および南化鄉の農家に点在するだけで、大規模栽培は行われておらず出荷に関するデータもない。
1990年代にアメリカなどから導入された緑色種は屏東などの一部農家で栽培されており、日本時代のものと同じ黒香・烏香の名で出荷されている。日本時代に導入されたものと同一の品種かどうかは不明であるが、こちらも出荷に関するデータがない。
どちらもリュウガン(龍眼)のような香りを持つため、龍眼芒果とも呼ばれる。
旬は6月中旬~7月末。果皮は緑色で厚い。熟しても果皮の色が変わらず柔らかくならないため、収穫時期の見極めは栽培農家の指先の感覚に頼ることが大きい。しかしマンゴーはウルシ科の植物で果皮にも微量の抗原を持つため、シーズン中の連日大量収穫では栽培農家の指先が腫れ上がってしまうことが問題視されている。種は小形だが果皮が厚いため、同じくらいの大きさのアーウィン種に比べて可食部が若干少ない。果肉は若干の繊維質を含む。
果実の重量は約400-500g、大きさは約12cm×幅約8cm×厚さ約8cm。糖度は15.6-17Brix、酸度は0.18%、糖酸比は87前後。濃厚な甘味と芳醇な香りが特徴である。
長年をかけて台湾の気候に馴化した種のため、他の種と比べて病虫害に強い。
台湾のスーパーでは一個160-200元(約500元/kg)。高級品。流通量は少ないが近年産出量が増えているため、シーズン中にスーパーの果物コーナーを探せば見つかる。完熟したものは高い糖度を持つが、外観からは完熟したかどうか見分けがつかないため見極めが非常に難しい。台湾では産出量が少なく希少品であるが、世界的には黒香マンゴーのような緑色種は長期保存が可能で病害に強いため貿易種の主流を占める。
果皮は緑色でやや硬い。
完熟してもこのままの色で変わらないため熟成度合いが見極めにくい。
果肉はイエロー。
果皮が厚いので可食部は他の種より少し少ない。
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