徐州の伝統料理からちょっと珍しい『汆鵪鶉│中華風ウズラ煮』という料理を紹介します。日本ではほとんど食べる機会がありませんが、材料はすべて手に入るので再現が可能です。
徐州の料理は徐海菜と呼ばれ蘇菜(江蘇料理)の一つに分類されます。徐州はいまでこそ江蘇省に属しますが、60年ほど前からどの省に属するのか非常に不安定な地域でした。近代に入ってすぐ、今はなき淮海省に属しましたが、すぐに山東省に編入され、一部が安徽省に編入されたあと正式に江蘇省に属することになりました。台北市内にも徐州路という道があるのですが、短い路なので何処にあるかご存知の方はかなりの台北通でしょうね(笑)。
実際の徐州は江蘇省の北西のぴょこんと飛び出した地域で、歴史的にも地理的にも江蘇省よりも山東省との関係が深いといわれています。淮揚菜を有する江蘇料理の下位分類とされながらも、山東料理の影響を色濃く受けた徐州料理は非常に歴史の古い江蘇菜の中にあっていわば異色の料理体系となっています。"あえてちょっと外した感"のあるラフな感じ、でもラフすぎないとでも言いますか…、とにかくどこか違和感のある、そしてそれが面白いという不思議な料理が多い菜系となっています。
今回の『汆鵪鶉』で使う食材は「ウズラ」。ウズラは高蛋白低脂肪低コレステロールの代名詞のような食材で、中華料理では鶏肉よりも珍重される食材です。高血圧、肥満、糖尿病など様々な疾病を持つ病人食としても有名で、その健康効果は非常に優れています。有名な漢方薬材である高麗人参と比べられ、「動物人参」と呼ばれることも有ります。今回の料理もスープに高麗人参や黄蓍を加えて薬膳風に仕上げるのも良さそうです。
それでは当ブログでは初めてのウズラ肉を使ったレシピ『汆鵪鶉』です。いろいろにアレンジしてお楽しみ下さい。
写真はウズラ肉をそのまま煮込んでいますが、
これも『汆鵪鶉』と呼びます。
これも『汆鵪鶉』と呼びます。
[材料]
ウズラ肉 ……… 200g
タケノコ ……… 20g
キュウリ ……… 30g
マッシュルーム ……… 10g
卵白 ……… 2個分
[調味料]
中華スープ ……… 400cc
酒 ……… 大さじ1
醤油 ……… 小さじ1
塩 ……… 少々
味の素 ……… 少々
花椒 ……… 少々
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1
[作り方]
1.ウズラ肉の骨を除いてうす切りにし、卵白と水溶き片栗粉を混ぜ合わせたものと混ぜておく。タケノコは下ごしらえをしてうす切りにする。マッシュルーム、キュウリは薄切りにしておく。
2.熱した鍋に大さじ3のサラダ油を入れて弱火で120度ほどに熱し、作り方1のウズラ肉を入れて火が通るまで加熱する。
3.作り方2の鍋のウズラ肉に火が通ったら余分な油を捨てて中華スープ、酒、醤油、塩、花椒、マッシュルーム、キュウリを加えてウズラ肉と混ぜ合わせながら中火で火を通す。中華スープに浮かんできたアクを取り除いたら味の素を加えて味を整え、器に盛り付けて完成。
Point!
ウズラ肉で作られたものが有名ですが、もちろん普通の鶏肉で作ってもOK。またウサギ肉で同じように作る『汆兎肉』も名物として有名です。
肉も卵もウズラで作った『親子丼』もおいしいですよ!
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