日本ではあまり話題になっていないとは思いますが、現在台湾では鳥インフルエンザが猛威を振るっています。
現在台湾ではH5N8およびH5N2の二種類がの高病原性鳥インフルエンザが確認されており、感染経路の特定と感染拡大防止などの各種対策が進められています。1月13日には政府が公的機関や各種学校の給食で鶏肉の調理を行わないことを決めました。学校では朝礼や授業を利用して教師や生徒に鶏インフルエンザのメカニズムを教える授業を行い、鳥類との接触を行わないよう警告しています。また感冒様症状があればすぐに医者を受信し、鳥類との接触歴や旅行歴を報告することを義務付けました。
問題となっているのはニワトリだけでなく、ガチョウ、アヒル、また野生の鳥類など台湾に生息するあらゆる鳥類です。単純な接触を避けるのはもちろんのこと、調理などでやむを得ず接触する場合も調理器具や容器を用後に洗浄し、必ず十分に過熱してから食べることを徹底するよう指導が行われています。家禽の養殖場ではすでに数十万匹の殺処分が行われており、毎日その数は増え続けています。
旅行で台湾を訪れる方は友人宅のペットや、ペットショップ、養鶏場、および街中で見かけた鳥類には“絶対に”触れないように注意してください。また鶏肉、鴨肉、ガチョウ肉など扱う店にははしばらく近寄らない方が無難です。どうしても食べるときは必ず中まで火が通っているかを確認しましょう。幸いなことにH5N8およびH5N2の二つのウイルス種は人間には感染しません。鳥を避けるのは自身がウイルスの媒介者にならないようにするためです。特に国境を越えて移動する旅行者は自国内に鳥インフルエンザを持ち込まないよう厳重に警戒して旅行を楽しんでください。
ちなみに台北市動物園の鳥類エリアは以前の鳥インフルエンザ禍以降閉鎖されており、来場者が鳥類エリアに立ち入ることは出来ません。
台湾で野鳥を狩猟して食べると「野生動物保育法」により1年以下の懲役、あるいは6万元以上、30万元以下の罰金に処せられます。平時はほとんど問題にならない法律ですが、現在政府はこれを厳格に適用し少しでも災禍が広がらないようにする方針だそうです。
ちなみに筆者は養鶏場に知り合いがいますが、報道されている数以上に殺処分が進んでおり非常に深刻な状況だということです。SNS などでもスパムのようなメッセージが飛び交っており、不安があおられています。家禽肉と卵は確実に値上がりするでしょうし、それらを食材に使った飲食店も深刻な打撃を受けることでしょう。
過度の不安は禁物ですが、対処で感染の拡大を食い止めるよう旅行者・滞在者の皆様も気をつけて行動してください。
以上、台湾で拡大する鳥インフルエンザに関するニュースでした。大きな続報があればまた記事にします。
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