本日は中華風のお漬物、『鹹冬瓜│トウガンの漬物』を作って見ましょう。前回の『黄豆醤』で味を付けるのがポイントです。なければ日本の白醤油で作りましょう。
トウガンは学名を Benincasa hispida といいます。日本では平安時代の古くから食べられています。夏に収穫される野菜ですが、きちんと保存すれば冬まで食べられるということから「冬瓜」と名付けられたと言います。
その成分のほとんどが水分(96%以上が水分です)で味も特にありません。中華料理では通常スープの味をしみこませて味を付けてから食べます。《本草綱目》にも白瓜として記載されている由緒ある食材です。種は冬瓜子などと呼ばれ、古代より清熱利水、解暑熱、消熱痰、止咳嗽の薬としても用いられました。現代ではダイエットにも用いられます。また古くは果実の皮をロバの打撲や骨折の薬として用いた記録も残っています。炎症を抑える作用などもあるようですね。
無味で水分を多く含むこと、またきちんと保存すれば一年中食べられることから、台湾(福建)料理や広東料理では古くからスープ料理に大活躍してきました。おいしいスープさえ作ってしまえば、トウガンを入れて煮込むだけで手軽に食物繊維が取れるのが嬉しいですね!野菜嫌いの子供にも自信を持ってお勧めできる食材です。
3ヶ月と根気の要る漬物ですが、中華料理ファンなら梅干の瓶の横にひとつくらいはこういう漬物を漬けておいてもいいかもしれません。
[材料]
冬瓜 ……… 5kg
[調味料]
塩 ……… 200g
黄豆醤 ……… 600cc
砂糖 ……… 大さじ4
酒 ……… 200cc
[作り方]
1.トウガンの皮を剥き、種を抜く。4cmほどの輪切りにし、少量の塩(分量外)を振りかけて一晩置いて水を抜いておく。
2.作り方1のトウガンから抜けた水を捨て、中央に菜箸などを刺して丸一日陰干しする。
3.陰干ししたトウガンを1/4の大きさに切っておく。
4.大きな瓶かガラス瓶を用意し、塩と砂糖を薄く敷き詰めたら黄豆醤で湿らせ、上にトウガンを乗せる。その上から更に調味料を層状にまぶして黄豆醤をしみこませたら、上にトウガンを乗せる。これを繰り返して層を積み重ねたら、最後に余った黄豆醤と酒を入れて封をし、3ヶ月ほど漬けておく。
5.瓶から取り出して完成。
Point!
ぬか味噌漬けのように他の野菜とは一緒に漬けません。昆布くらいは一緒に入れるとダシが聞いていいかもしれませんが、基本的にトウガンのみで漬けます。
塩や砂糖の濃度は好みで調節してください。
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