久しぶりの薬膳料理を!『黨蔘黃蓍燒鴨│党参黄蓍焼鴨』という党参と黄蓍の二大補薬で作る補気の薬膳です。
党参も黄蓍もどちらも非常に使いやすい補薬です。今回は党参について簡単に見てみましょう。
党参の基原植物は Codonopsis pilosula (Franch.) Nannf. といい、古くは人参の代用品として用いられました。始載は《本經逢原》というちょっと珍しい本草書で、人参の説明の後半に山西省に産出する「上黨人參」として登場します。その記載は“產山西太行山者、名上黨人參、雖無甘溫峻補之功、卻有甘平清肺之力、亦不似沙參之性寒專泄肺氣也。”と、わずか一行に過ぎませんが、党参の性質を良く表しています。即ち“甘温峻補の効能はないが、甘平清肺の力がある”というわけです。補中益気の他に後代に入り生津養血の効能も見つかりました。現代では強い免疫機能の増強作用があることも分かっており、様々な免疫疾患にも応用されます。
黄蓍についてはあちこちで紹介しているので今回は詳しくは書きませんが、補気升陽、益衝固表などの効能があります。黄蓍にも党参にも消化機能の増強改善効果があります。また黄蓍も党参もどちらも甘の薬味で、黄蓍は微温、党参は平の薬性ですので、、消化の比較的難しい鴨肉(涼性)を煮込んで食べるにはちょうどいいというわけです。
スープ自体はモヤシを煮込んだようなマメ科(黄蓍)の香ばしさがあり、そしてシソ科(党参)のうっすらさわやかな香りがします。薬用効果も高いですが、とてもおいしい薬膳料理です。
[材料]
鴨肉 ……… 半匹分(約500g)
ショウガ ……… 10g
党参 ……… 15g
黄蓍 ……… 7.5g
陳皮 ……… 4g
水 ……… 2400cc
[調味料]
醤油 ……… 大さじ3
酒 ……… 大さじ1
塩 ……… 大さじ1/2
[効能・効果]
補気生血、清肺利水など
[作り方]
1.鴨肉をよく洗って皮に醤油を塗る。鍋に揚げ物油を180度まで熱し、鴨肉を表面がきつね色になるまで揚げて火を通す。火が通ったら取り出して油を切り、骨を除いたら2cmほどの厚さに切り分けておく。
2.別の鍋に薄切りにしたショウガ、党参、黄蓍、陳皮と水を入れて沸騰させた後、酒、塩を加えて味を整え、蓋をして1時間ほど煮込む。
3.作り方2の鍋に作り方1の鴨肉を加え、強火で一度沸騰させたら土鍋などの容器に移して完成
Point!
一緒に入れる野菜はモヤシ、白菜、ダイコンなど煮込むと透明になるものがよいでしょう。
鴨肉は独特の臭みを抜くために一度揚げて火を通しています。気にならない方は一度湯通ししてアクを抜いてから、スープで煮込んで火を通してください。
塩の量で味を調節してください。
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