久しぶりの薬膳飲料、その名も『杞菊貞蓍茶│杞菊貞蓍茶』です。「こきくていぎちゃ」と読みましょう。
「枸杞」も「女貞子」も「黄蓍」も簡単に当ブログで触れたことがあるので、本日はもう一つの材料「(杭)菊花」について説明したいと思います。
実は菊花は古くは《神農本草經》に記載されている薬物です。キク科イエギク Chyrsanthemum morifolium Ramat. の頭状花序を乾燥させたもので、中国語での植物名は杭白菊といいます。生薬の別名は白菊花、黃菊花、滁菊花、杭菊花など。白菊花と滁菊花は白い花のもの、黃菊花と杭菊花は黄色い花のものを指します。
台湾を訪れる日本人の皆様は旅行中に絶対に“二度”、図案化された菊を目にする機会がありますが、おわかりでしょうか?そう、パスポートの表紙のマークも菊ですね。日本人には非常に馴染みのある植物です。
菊花は中医学では発散風熱薬に分類され、性味は辛、甘、苦、微寒で、帰経は肺、肝とされます。疏風清熱、平肝明目、解毒の効能があります。日本でも刺身のつまとして食用にされることが多いので、解毒の効能を知っている人も多いかもしれません。近代研究によって殺菌作用と血管拡張作用などが明らかになっており、高血圧や心臓病治療などにも応用されています。
細かくは色によって使い分けたりもします。白いものは清熱、明目、平肝の目的でよく使われ、黄色いものは外感風熱によく使われます。もう一つ似た薬に「野菊花」というものもあるのですが、こちらは解毒の作用が比較的強いとされます。野菊花は C. indicum L. という植物を使います。日本でも菊花茶などの名前で普通にお茶として買えます。入手が容易な生薬の一つです。
菊花は補腎の枸杞と組み合わせて腎陰虚による赤目、のぼせ、めまいなどに効果を発揮します。免疫力を高める女貞子と黄蓍を配しているので、放射線療法などの免疫力を低下させる物理治療中に飲んでもよさそうです。また高血圧によるめまいやふらつきなどがあるときにもいいでしょう。
もちろん菊花を単独で煮出してもうっすらと甘いおいしいお茶が出来ます。菊花茶は口内炎や喉のはれなどにも効果がありますので覚えておきましょう。
というわけで本日のレシピです。女貞子の入手が少し難しいかもしれませんが、ご入用の方はメールでご連絡ください。
[材料]
枸杞 ……… 50g
杭菊花 ……… 50g
女貞子 ……… 50g
黄蓍 ……… 50g
水 ……… 3000cc
[調味料]
蜂蜜 ……… 15g
氷砂糖 ……… 10g
[効能・効果]
免疫増強、抗がん、視力回復、体力増強など。
[作り方]
1.材料を全て鍋に入れ、水が半量になるまで中火で煮詰める。
2.残渣を漉し取り、蜂蜜と氷砂糖を溶かす。容器に移し冷蔵庫に保管して完成。
Point!
煮出すだけで簡単に出来る薬膳茶です。砂糖と蜂蜜の量は適宜調節してください。
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