香辛料を使ったレシピを大公開しております。まだまだありますが、今年の冬は出し惜しみせず生薬・香辛料を使った絶品料理をがんがん紹介していくのでご期待ください。
本日は『糖心蛋│中華風半熟卵』 のレシピを紹介します。
本日も生薬の紹介を。当ブログでも時々目にする香辛料「山奈」について解説したいと思います。
山奈はショウガ科バンウコン Kaempferia galanga L. の根茎を乾燥させたものです。別名を三奈、沙姜、山辣ともいい、中国のレシピ本によってはこちらの名前で記載されていることも多いです。生薬の読み方は「サンナ」で間違いないのですが、日本ではインドからもたらされた時になぜか別の植物と勘違いされてしまい、ショウガ科の別の植物(Hedychium属の植物)にサンナという和名がつけられています。間違えないように注意しましょう。
実は台湾でも日本統治の影響からか Hedychium属の植物を山奈と表記して薬草屋さん(青草行)で売っていることがあります。台湾名を穗花山奈などというので紛らわしく中医学的にも間違いなのですが、店員さんに正しい植物を指摘しても無駄です。諦めましょう(笑)。
この山奈は日本ではあまり使われませんが、中国、東南アジアではとても一般的香辛料でカレーやスープに味付けのために入れられます。ただ複雑なことに例えばインドネシア語で Galangal とよばれる香辛料には、山奈をはじめとする数種類の他のショウガ科の植物がいろいろ含まれます。中国語でも山奈、南姜、(植物の)高良薑をひとまとめにして(香辛料の)高良薑と呼んだりします。面倒くさいですね(笑)。
ショウガに樟脳(学名の由来にもなっています)が混ざったような鮮烈な香りが特徴で、筆者も大好きな香辛料の一つです。日本でも…お寺で使う高級線香などに配合されたりしているようです。甘口男の火鍋にも入ってます。
ショウガ科の薬物らしく、温中化湿、行気止痛の効能があります。Kaempferia もそうですが、 Hedychium も非常に美しい花を咲かせるので、観賞用としてもおすすめです。ショウガのように地下茎で増やせるので、手に入れる機会があったら栽培して見ましょう。
それではレシピです。筆者はレシピを見るだけで涎が出ます(笑)。
[材料1]
八角 ……… 3個
陳皮 ……… 4g
花椒 ……… 4g
甘草 ……… 2g
丁香 ……… 4g
小茴香 ……… 12g
山奈 ……… 4g
桂皮 ……… 4g
[材料2]
卵 ……… 10個
水 ……… 600cc(適宜調節)
トウガラシ ……… 2本
[調味料]
醤油 ……… 200cc
氷砂糖 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1
[作り方]
1.全ての材料1をティーパックなどに入れておく。
2.作り方1の材料パックと水、醤油、氷砂糖、トウガラシを鍋に入れ、氷砂糖が溶けるまで10分ほど混ぜ合わせる。
3.卵をよく洗い作り方2の鍋に入れる。卵が水に浸かるように水と塩を加える。水温を80度に保って蓋をして3分加熱したら、火を止めて10分蒸らす。火が通ったらすぐに取り出して氷水に浸け、5分後取り出して殻を剥く。
4.殻を剥いた卵を作り方3の鍋の汁と共にタッパーなどに入れ、密閉して冷蔵庫で2日以上浸けたら完成。
Point!
半熟卵の茹で卵を作ってスープに浸けておきます。2日なら白身の半分から2/3ほどに味がしみます。
余ったスープは肉類を茹でたりして無駄にしないようにしましょう。
出汁の味がほしい方はスープに鰹節を二つまみほど加えましょう。
日本ではラーメンに乗せるのが最高ですが、せっかくの中華風半熟卵ですので自作の『牛肉麺』にのせてみましょう。日本でなら一杯1200円ほどでも筆者は足を運ぶと思います。
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