本日の薬膳料理…というか日本の民間療法でもあります『車前草茶│オオバコ茶』の作り方を紹介します。やっと日本の漢方でも時々使われる生薬の登場です(笑)。
「車前草」とはオオバコのことで、和名の漢字、またそのまま漢名にもなっています。種子を「車前子」といい、こちらは日本薬局方にも収載されている薬物です。漢字はそのまま、馬車や牛車の車輪の通る路の脇にも生えることから名付けられています。全草に利尿、消炎作用があり、日本でもよく使われる漢方処方「牛車腎気丸」などにも配合されています。「牛車腎気丸」の「車」の字は車前子の車です。
中医学では利水滲湿薬というカテゴリーに分類され、性味は甘、寒で、帰経は腎、肝、肺です。利水消炎の効能の他にも、止瀉、清肝明目、化痰などにも応用されます。慢性気管支炎にオオバコ茶のうがいが有効であったという臨床試験の結果もあります(有効率83.6%)。
オオバコは学名をPlantago asiatica L.といい、その他 Plantago depressa Willd も薬用にします。植物も踏まれて繊維がほぐされると長く延びるという特殊な性質があり、人に踏まれやすいあぜ道などに生えます。全草にゼラチン質が含まれており、水を含むと膨張する性質があります。このため飢饉のときなどオオバコを食べて飢えをしのいだという記録もあるほどです。
日本のどこでも手に入れることができる有用植物と言うのは実はそれほど多くありません。きれいに洗って乾燥させておけば家庭療法にも使える優秀な生薬です。ぜひ作り方を覚えておきましょう。
[材料]
乾燥オオバコ ……… 25g
(全草、葉、種どれでもよい)
水 ……… 600cc
[調味料]
砂糖 ……… 20g
[効能]
利水通淋、清熱明目、清肺化痰。小便不利、暑熱泄瀉、目赤腫痛、血尿、気管支炎など。
[作り方]
1.オオバコをよく洗い、水と一緒に鍋に入れ沸騰させる。沸騰したら弱火で15分ほど煎じ、煎じ液を漉し取る。
2.好みで砂糖を加えて完成。
Point!
普通にお茶を作る用量でお湯を注ぐだけでも作れます。十分蒸らしてから飲みましょう。
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