「広州十大名鶏」シリーズ第四弾は『文昌雞│文昌鶏』のレシピを紹介します。他の十大名鶏よりもはるかに長い歴史を持つもともとは海南省の伝統料理です。
伝説によると現在より400年ほど昔の明の時代、文昌(現在の海南省)の人が任官の命を受けて都に上ったとき、故郷の鶏肉料理を皇帝に召し上がっていただく機会を得ました。この料理を口にした皇帝はその味を称え「雞出文化之鄉、人傑地靈、文化昌盛、雞亦香甜、真乃文昌雞也!」と言ったそうです。この「文化昌盛」から『文昌鶏』の名前の由来になっています。
皇帝の絶賛を受けた料理を輩出した村は、都から『天賜村』の名前を与えられたそうです。現在に至るまで『文昌鶏』に用いる鶏肉は「三小両短」の特徴を持つものが最上とされます。これは「頭、首、脚が小さく、首、脚が短い」の特徴のことで、現在でも『文昌鶏』を作るには、椰子の繊維を餌に混ぜて飼育する特別な鶏肉を使って作るのが正当な作り方とされます。現地でこのように飼育される鶏の品種も「文昌鶏」と呼ばれるので非常に紛らわしいです。台湾の嘉義地域でもこの「文昌鶏」は飼育されており、台湾でも食べることができます。
料理のほうの『文昌鶏』は清末に広東省に伝わり、『広東文昌鶏』とも言われる「十大名鶏」の一員となりました。また海南省は近代に入り多くの移民を東南アジアに出したことでも有名で、特にシンガポールに伝わった『文昌鶏』は『ハイナニーズチキンライス』に姿を変え有名料理となっています。
今回紹介するのは海南風の『文昌鶏』の作り方です。基本的な作り方は『白斬鶏』に準じますが、ソースの作り方に一工夫があります。ぜひお試しください。これを広東風に変えるには出来上がった鶏肉を薄切りにして間にハムを挟んで並べて作ります。
[材料1]
鶏もも肉 ……… 2本
ネギ ……… 2本
ショウガ ……… 20g
[材料2]
ネギ ……… 50g
ショウガ ……… 20g
ニンニク ……… 20g
トウガラシ ……… 2本
[調味料1]
酒 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ1
[調味料2]
醤油 ……… 大さじ4
酢 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 大さじ1
[作り方]
1.材料1のショウガを薄切りにする。材料1のネギをぶつ切りにする。鍋にすべての材料1と調味料1を入れ、鶏肉が浸かるくらいの冷水を入れる。中火で沸騰するまで加熱し、沸騰したらそのまま五分ほど加熱して蓋をする。火を止めてそのまま30分ほど蒸らす。
2.材料2のネギをみじん切りにする。ショウガとニンニクはすりおろす。トウガラシは種を抜き、みじん切りにする。 これらを全てと調味料2をよく混ぜ合わせてソースを作る。
3.作り方1の鶏肉に箸や串を刺し、血が出なければ取り出して荒熱をとり、食べやすい大きさに切り分ける。 器に盛り付けて作り方2のソースを添えるか、上からかけたら完成。
Point!
基本の作り方は『白斬鶏』とほとんど同じで、ソースの作り方だけが異なります。ちなみに現地では「文昌醤」という文昌鶏専用のソースがスーパーで売られています。日本で見たことはないので自作した方が早いです。
出来上がった鶏肉から骨を抜き、間に薄切りにしたハムを挟んでお皿に並べれば広東風に。ソースも上から掛けずに添えるだけなど、細かい作り方の違いはありますが一番の違いは見た目です。
こちらが広東風。「十大名鶏」の一員です。
鶏肉を茹でる代わりに、表面に薬味を貼り付けて蒸し上げて作る方法もあります。お好みでどうぞ。
鶏肉の一部に火が通っていなければ電子レンジで軽く加熱しましょう。
出来上がりに好みで香菜を散らしてください。
みじん切りにした鶏肉をソースと絡めてご飯に乗せたり、チャーハンの具にすると絶品です。
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