本日は『子薑子雞湯│生姜と鶏肉のスープ』というとっても手軽でほとんど一瞬で作れるスープのレシピを紹介します。これからの季節にはまさにうってつけの料理で、薄切りにした生姜が体の心から温めてくれます。
さて今回は料理には欠かせない調味料である「塩」について考えて見ましょう。台湾歴が長い人やすこしお年をめされた方はご存知のように、日本の旧字体、繁体字で塩は「鹽」と書きます。簡体字では「盐」と書き、日本で使われる「塩」を入れるとユニコードでは三種類の字を使い分けることができます。
並べてみると「鹽」→「塩」→「盐」と簡略化されているようで、後ろの二つは近代に入って創作された字のように見えます。日本では1949年(だったかな…)の当用漢字の使用開始によって塩の字が定着しましたが、実は中国でも南北朝時代あたりにはすでに「鹽」の俗字として「塩」が使われていました。「塩」の字自体は結構古い歴史があるのです。「鹽」→「塩」も直接変わったわけではなく、かなりの数の遷移中の文字や異体字があります。また 古代ローマ時代に給与として塩(ラテン語の Sal )が支払われていましたが、これが給与 Salary の語源でもあります。他にもサラダ Salad やサラミ Salami などもこの Sal が語源になっています。眠れない夜に文字の歴史を追ってみるのも楽しいものですよ。
古来中国では塩は前漢の時代から専売制がひかれており、皇帝の支配基盤となっていました。台湾でも日本統治時代までは塩は専売制で、爆竹の祭りで有名な台南の塩水港は現在でも一大生産地です。金が貨幣として用いられる前は、塩がお金の代わりとして流通していた時代や場所があったのです。現在世界最大の塩の生産量を誇るのは中国で、続いてアメリカ、インド、ドイツ、カナダが続きます。これら五カ国で全世界の生産量(約2億8千万トン)の6割を占めるので、外交的にも非常に重要なカードとなりえます。アメリカあたりは緊急時に塩の生産をいつでも増やせるよう準備しているとは思いますが、ほとんどを輸入に頼っている日本やその他の国は、改めて塩の重要性を認識しておく必要がありそうです。
それではレシピいきます!
[材料]
鶏もも肉 ……… 2本
生姜 ……… 100g
中華スープ ……… 1200cc
[調味料]
塩 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ1
[作り方]
1.鶏もも肉は骨を抜き、ぶつ切りにする。ショウガは皮を剥いて薄切りにする。
2.鍋に少量のサラダ油(分量外)をひき、作り方1の鶏もも肉と生姜をいれ、中火で2分ほど7割ほど火を通す。(→Point参照)
3.つくり方2の鍋にそのまま中華スープを注ぎ、沸騰させて5分ほど煮込む。調味料を加えて味を調えたら完成。
Point!
煮込む前に鶏肉には軽く火を通しておきます。スープを味わうというより、鶏肉をそのまま食べる料理です。チキンスープを作るわけではありません。塩の量でかなり味が変わります。少しずつ加えて好みの量を見つけてください。
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