カボチャはウリ科カボチャ属の植物の果実を総称したもので、一種の植物を指すわけではありません。漢字表記の「南瓜」 は中国語をそのまま輸入したものなのですが、中国語でただ「南瓜」と書けば「中国南瓜 Cucurbita moschata」というカボチャの中の一種を指すので注意です。台湾では「金瓜」の表記の方が一般的かもしれません。
緑黄色野菜の中でも特に豊富なビタミンAを含むことで知られ、収穫した後一ヶ月ほどかけて澱粉が糖化し、より甘みを増します。台湾では種を炒めてお菓子として食べることもあります。
古来より薬用に使われていた野菜の一つで、おなじみ本草綱目にも記載があるので抜き出して見ましょう。
南瓜
《綱目》
《集解》
時珍曰:南瓜種出南番、轉入閩、浙、今燕京諸處亦有之矣。三月下種、宜沙沃地。四月生苗、引蔓甚繁、一蔓可延十餘丈、節節有根、近地即著。 其莖中空。其葉狀如蜀葵而大如荷葉。八、九月開黃花、如西瓜花。結瓜正圓、大如西瓜、皮上有棱如甜瓜。一本可結數十顆、其色或綠或黃或紅。經霜收置暖處、可留至春。其子如冬瓜子。其肉濃色黃、不可生食、惟去皮瓤瀹食、味如山藥。同豬肉煮食更良、亦可蜜煎。按:王禎《農書》云:浙中一種陰瓜、宜陰地種之。秋熟色黃如金、皮膚稍濃、可藏至春、食之如新。疑此即南瓜也。
《氣味》
甘、溫、無毒。
時珍曰:多食發腳氣、黃膽。不可同羊肉食、令人氣壅。
《主治》
補中益氣(時珍)。
南蛮より福建省や浙江省に伝わったものであることがわかり、補中益気の効果があるとされています。豚肉との相性がいいようですが、羊肉と一緒に食べると「気が詰まる」ともかかれてあります。この時代(明朝時代)は既に食材としてある程度研究されていたようです。
というわけで本日はカボチャを使った簡単料理です。ぜひお試しください。
難易度:
☆
調理時間:
☆
材料:
カボチャ ……… 600g
味噌 ……… 大さじ1
ニンニク ……… 2個
水 ……… 200cc
調味料:
酒 ……… 15cc
塩 ……… 少々
作り方:
1.カボチャは種を除いて食べやすい大きさに切る。
2.熱した鍋に適量のサラダ油(分量外)を加え、みじん切りにしたニンニクを炒めて香りを出した後、味噌を加えて香ばしい匂いがするまで炒める。続いてカボチャ、酒、水を加えて沸騰させ、水気がなくなるまで中火で煮込んでカボチャに火を通す。最後に塩で味を調えて完成。
Point:
材料の用意ができていれば10分ほどで作れます。
材料の味噌を豆板醤、トウチ、テンメンジャンなどの大豆由来の調味料に置き換えると様々な味が楽しめます。色々とお試しください。
カボチャの熟れ具合を見て、砂糖を小さじ1ほど加えてもよいでしょう。
カボチャは収穫後1ヶ月ほどで澱粉の糖化が完全に進みます。常温で保存すると腐ることもあるので、余り長く放置するのは注意です。
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