2013年11月2日土曜日

蘋果炒雞肉│リンゴと鶏肉炒め

本日はリンゴを使った珍しい炒め料理である『蘋果炒雞肉│リンゴと鶏肉炒め』を紹介します。

林檎は学名を Malus domestica Borkh といいバラ科リンゴ属の植物を指し、正式な和名を「セイヨウリンゴ」と呼びます。青森県藤崎町に一時期住んでいた筆者には非常になじみのある果物です。

日本どころか世界中でおなじみの「ふじ」は世界で、もっとも多く栽培されるリンゴの品種だそうです。中華圏では「富士」、その他の地域では「Fuji」の名でそのまま通じるほど普及しています。

リンゴには大別して「有袋栽培」と「無袋栽培」の二種類の栽培方法があります。有袋栽培は果実を袋で覆って日光を避けて栽培する方法で、色の浅い果実ができますが、糖度も栄養価も高いものが収穫できます。無袋栽培は品種名に「サン(太陽のSun)」を冠し、鮮やかな色の果実が特徴です。サン富士やサン津軽などが有名ですね。

リンゴ以外のリンゴ属植物は大体実を食べることができるのですが、なかなか結実しないものが多いので食べたことがある人は稀でしょう。筆者も一度中国でヒメリンゴの実を食べたことがあるだけです。他のリンゴ属植物は日本にもいくつか生えているのですが、天然記念物だったり国立公園の一部にだけ生えていたりで、探すだけでも一苦労です。またリンゴの台木はほとんどが、リンゴ属の別の植物を使っています。リンゴは接木や挿木で増やすので、種からは増やせません。

医者要らずの別名を持つリンゴは各地域の神話にも登場するほど歴史の古い果物で、紀元前6000年には既に栽培されていたという説があるほど。16世紀にヨーロッパで大規模栽培が始まってからは世界中で食べられるようになりました。医薬品が乏しい時代には薬として使われたこともあり、中国明の時代に李時珍の書いた名著「本草綱目」にも林檎は記載されています。

手元の本草綱目から林檎に関する部分を抜き出して見ましょう。

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林檎

志曰:生北土、似楂子而小。
頌曰:今關陝有之、沙苑出者更佳。其實大抵類楂、但膚慢而多毛、味尤甘。其氣芬馥、置衣笥中亦香。
藏器曰:樹如林檎、花白綠色。
宗奭曰:食之須淨去浮毛、不爾損人肺。花白色、亦香。最多生蟲、少有不蛀者。
時珍曰:蓋 楂之類生於北土者、故其形狀功用皆相仿佛。李 《南海藥錄》言:關中謂林檎為 。按:《述征記》云:林檎佳美。 微大而狀丑有毛、其味香、關輔乃有、江南甚希。觀此則林檎、蓋相似而二物也。李氏誤矣。


《氣味》
酸、甘、微溫。無毒。
士良曰:發毒熱、秘大小腸、聚胸中痰、壅澀血脈、不宜多食。
瑞曰:同車螯食、發疝氣。

《主治》
溫中、下氣消食、除心間酸水、去臭、辟衣魚(《開寶》)。
去胸膈積食,止渴除煩。將臥時、啖一、兩枚、生、熟皆宜(蘇頌。宗奭曰:臥時啖此太多、亦痞塞胃脘也)。
主水瀉腸虛煩熱、散酒氣、並宜生食(李)。
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どうやら古代中国では食中毒、便秘、痰きり、喉の渇き、胃もたれなどを治したりするほかにも、箪笥に入れて服に臭いを移したり、お酒を飲んだ後に使ったりしていたようです。また中国の北方で既に大規模に栽培が行われていたことも分かります。

水溶性の食物繊維であるペクチンやリンゴのポリフェノールが健康にいいことは近年明らかになりましたが、古代の人も経験からこれらのことを知っていたのですね。

というわけで、本日はリンゴと鶏肉をあわせた絶品料理のレシピです。ぜひ一度挑戦してみてください。



難易度:


調理時間:
30分以内

材料:
鶏肉 ……… 200g
リンゴ ……… 1個
ネギ ……… 1本


調味料1:
水 ……… 大さじ2
醤油 ……… 小さじ1
酢 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1

調味料2:
塩 ……… 少々


作り方:
1.鶏肉を一口大に切り分け、少量の塩と酒(分量外)を振っておく。

2.リンゴをよく洗い、種とヘタを取って厚さ5mmほどの扇形に切っておく。ネギは3cmの長さに段切りする。

3.熱した鍋に大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、鶏肉を表面が白くなるまで炒めたら、取り出しておく。

4.作り方3の鍋に少量のサラダ油(分量外)を足して熱し、作り方2のリンゴを炒める。続いてネギと調味料1を加えリンゴとよく絡ませる。最後に作り方3の鶏肉を加え、塩で味を調えたら完成。


Point:
リンゴは切ってすぐ使うので、塩水に浸けておく必要はありません。鶏肉を炒め終わってから切ってもOK。

鶏肉に軽く胡椒を振っておいてもいいでしょう。

赤リンゴと青リンゴを半々で作るとお皿が賑やかになります。

写真のようにリンゴと鶏肉をブロック状に切って作っても美味しいですが、少々食べにくいかもしれません。


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