第七十六首 上上
魚龍混雜意和同
耐守寒潭未濟中
不覺一朝頭角聳
禹門一跳到天宮
意訳:
魚龍混雜意和同
魚なのか龍なのか現在は区別が付かない。
耐守寒潭未濟中
今はおとなしく岩の上で待っているのだ。
不覺一朝頭角聳
時が来れば自ずとはっきりするだろう。
禹門一跳到天宮
そのときに機会を掴めば万事うまくいく。
説明:
今現在小さな魚に見えているものが、実は龍であるかもしれません。
逆に今すばらしく見えているものの中身が実は大したことのないものであるかもしれません。
現在物事は非常に曖昧で、はっきり特定ができません。
時が来れば全て明らかになります。
それまでおとなしく待ちましょう。
故事:
孫叔敖隱處海濱
洪武看牛
第七十七首
夢中說夢獲多財
身外浮名總莫猜
水遠山遙難信定
貴人一指笑顏開
意訳:
夢中說夢獲多財
夢の中で多くの富を得るだろう。
身外浮名總莫猜
現在の名声も全て幻である。
水遠山遙難信定
この事実を俄かには信じがたいかもしれないが、
貴人一指笑顏開
貴人の啓示におとなしく従うべし。
説明:
今あなたが手にしている名声、富、地位、栄光は全て虚構です。
これらの事実はあなたにとって非常に受け入れがたいかもしれませんが、それが本当なのです。
虚構にしがみついて全てを失うより、身の丈にあった小さな幸せを求めましょう。
あなた自身よりも周りの人の方がよく分かっているものです。
誰かの諫言があれば、おとなしくそれに従いましょう。
故事:
范雎相秦
捧璧歸趙
完璧歸趙
第七十八首 上中
冷水來澆白雪洋
不寒不熱自溫涼
要行天下無他事
惟有中藏一藝強
意訳:
冷水來澆白雪洋
冷水は熱せられて雲になり、また雪となって大海に降り積もる。
不寒不熱自溫涼
そして自然と適度な温度になるのだ。
要行天下無他事
何か物事を為そうとするならば、
惟有中藏一藝強
ただ一芸を磨くことだけに集中せよ。
説明:
物事は千変万化、陰陽を行ったり来たりしながらお互いに支えあっています。
最後には自然となるようになるのです。
そんな世の中で名を成そうと思ったならば、自分の能力を高めるほかありません。
一意専心、余計なことには目もくれず、ただただ己を高めることだけに集中しましょう。
故事:
秦宓屈張溫
臨潼救駕
第七十九首 上中
虛空結愿結人緣
保得人安愿未還
得兔忘蹄真絕跡
敢將初誓謾輕瞞
意訳:
虛空結愿結人緣
多くの善良な人たちと縁を結び、
保得人安愿未還
今まで与えられた恩を返すのだ。
得兔忘蹄真絕跡
これを決して忘れてはならない。
敢將初誓謾輕瞞
そして先達たちを軽んずるなかれ。
説明:
友人、家族、恩人、知人、多くのよき人たちと縁を結びましょう。
今まで与えられたものを、彼らに返すときが来ました。
恩を受けたら感謝し、知恵を貸してくれた人を尊敬しましょう。
ただし、悪縁はきれいさっぱり忘れるのが吉です。
復讐や憎悪まで返す必要はありません。
今あなたが望むものは、返すべきものを返した後に自然と手に入ります。
故事:
魏顆得老人結草
暗扶倒銅旗
第八十首 上上
直上高山去學仙
豈知一旦帝王宣
青天白日常明照
志在聲名四海傳
意訳:
直上高山去學仙
己を高めるためには良い師を得るべし。
豈知一旦帝王宣
あなたを必要とする名士が現れる。
青天白日常明照
そして全てが望むままにうまくいくだろう。
志在聲名四海傳
誰もがあなたを称えるようになるはずだ。
説明:
今より更に難しいことに挑戦するなら、よい師を探すことです。
学校、教師、教科書、良い道具など、あなたを導いてくれる人物がきっと見つかります。
そうやって研鑽の日々を重ねていれば、いずれあなたの技術を必要とする人がきっと現れます。
志は常に高く、不可能にどんどん挑戦していきましょう。
故事:
郭令公免冑見回紇
劉智遠投軍
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