第八十一首 中中
庭前葉落暮秋時
行客奔程勢若飛
謝得天公輕着力
順風相送寶船歸
意訳:
庭前葉落暮秋時
晩秋落葉の時。
行客奔程勢若飛
旅人はきびすを返して故郷に戻る。
謝得天公輕着力
天に感謝すれば体が軽くなる。
順風相送寶船歸
帰り道は追い風が吹くだろう。
説明:
目の前にはいくつかの小さな問題があるかもしれませんが、全体としてみればこれから物事が順調に運びます。
今の場所に辿りつけたことを天に感謝しましょう。
もう折り返し点は過ぎました。
あとは軽い足取りで終わりまで歩いていくだけです。
故事:
風送滕王閣
第八十二首 中中
炎炎烈火焰燒天
焰裡還生一朵蓮
到底永成根不壞
依然枝葉色新鮮
意訳:
炎炎烈火焰燒天
烈火の炎が天を焼く。
焰裡還生一朵蓮
炎の中には一輪の蓮の花がある。
到底永成根不壞
この花だけは永遠に枯れることがない。
依然枝葉色新鮮
枝葉はいつまも瑞々しく若いままなのだ。
説明:
どんな困難に遭っても、どれだけ年をとっても、心には一つの野望があります。
水の中でも燃え続ける炎のように、それはあなたの生涯の行動原理となるでしょう。
その野望は誰にも折れません。
あなたがあなたであるために、心の中にある絶対に譲れない部分を大切に守りましょう。
それがあなたの前途を拓く光明となるのです。
故事:
呂純陽重生梓樹
火燒葫蘆谷
第八十三首 中上
譬若初三四五蟾
半無半有未完全
須教十五良宵夜
到處清光到處圓
意訳:
譬若初三四五蟾
物事はまだ始まったばかりである。
半無半有未完全
まだまだ不完全で、形もない。
須教十五良宵夜
満月のように完全な円になるのを待つべし。
到處清光到處圓
そうしてその光は四方を照らすのだ。
説明:
状況を月の満ち欠けに例えた美しい籤です。
今の状況はまだ新月から三、四日の不完全な三日月のようです。
十五夜の満月までまだまだ時間がかかります。
月が満ちるのを待つように状況を注視し、機会を待ちましょう。
故事:
馬周入都投旅店
李淵登位
第八十四首
因名喪德不和同
切忌忙中變作凶
醉後不知何處去
青松影裡睡矇矓
意訳:
因名喪德不和同
数名の不道徳の者のせいで、
切忌忙中變作凶
うまく行きかけたものがかえって最悪の事態を招く。
醉後不知何處去
もうどこにも逃げ場はない。
青松影裡睡矇矓
ただ松の木陰で朧な夢を見ることができるだけだ。
説明:
一部の人たちが悪いことをしたおかげで、最悪の結末を迎えてしまいます。
まだ物事がうまく行っているなら、不道徳な連中を探し出して切り捨てましょう。
仮に誰かが悪行を行ってしまえば、せっかくうまく行きそうだったことが最悪の状況を招きかねません。
一度悪いほうに転がり始めたらもう止める術はありません。
そうなる前に手を打ちましょう。
故事:
李廣灞陵夜獵
莊子試妻
第八十五首 上上
重開山後藏前事
萬寶園中可再團
醉詠新詩添逸興
貴人引接上雲衢
意訳:
重開山後藏前事
ひとたび山を越えれば、後ろが見えなくなる。
萬寶園中可再團
一度山を下ったら、また登っていけばいいのだ。
醉詠新詩添逸興
過去の経験を彩りにして新しい歌を歌え。
貴人引接上雲衢
誰かがきっと助けてくれるだろう。
説明:
困ったときは誰かが必ず助けてくれます。
山道を行くように、谷間にいるときは前後の景色が見えません。
しかし一度降りたら後は登るだけ、物事はいつも上下するのです。
色々な経験が人生に彩を与えてくれるのです。
一度失敗したからといって、次も失敗するとは限りません。
故事:
蘇秦抵掌華屋
韓文公遇雪
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