シューマイ、チャーシュー、ワンタンなど挙げればキリが無いくらい、広東料理は日本どころか世界中で最も有名な中華料理体系です。香港やマカオの料理、一般の客家料理、台湾ではお粥で有名な潮州料理も広東料理の体系に入ります。超一級と呼ばれる料理人を多数輩出している土地としても有名で、日本にも彼ら超一級料理人が開いた多くの広東料理のレストランがありますね。
いわゆる「中国人は足がついていれば椅子以外なんでも食べる」という言葉は、広東料理を指して言います。天然記念物、愛玩動物、毒を持つもの、地中生物、深海魚、虫…、広東料理では文字通り「なんでも」調理して食べてしまいます。中国人の食に対する情熱を体現したかのような体系といえるでしょう。
さて日本では給食のおかずとしても出てくるほど有名な八宝菜ですが、冷凍食品コーナーで簡単に手に入るため、自作したことのある人は逆に稀かもしれません。 『八宝菜』の「八」の字は食材が多いことを表しており、具が文字通り八種類である必要はありません。これをご飯にかけた『中華丼』は日本独自の料理ですが、中国人ももちろん『八宝菜』とご飯を一緒に食べます。
作り方は材料ごとに調理方法が異なり、実は意外と手間のかかる料理です。最後に別々に調理した食材がまとまって一つの料理になる、作っていて楽しい料理です。別々の主人公が最後に集まって盛大に盛り上がるストーリーというか、そんな感じですね(笑)。
八大菜系シリーズはひとまずこれでおしまいです。しかし!広大な中国にはこの八大菜系に分類されない多くの料理体系があります。北京、東北、モンゴル、そして台湾料理(!)などがそうです。折を見てこれらも紹介していきたいと思いますので、ご期待下さい。リクエストもお待ちしております。
今回のシリーズ記事は『その他地方料理シリーズ』でまとめる予定ですので、時々見てみてくださいね。
難易度:
☆☆
調理時間:
30分以内
材料:
白菜 ……… 100g
イカ ……… 150g
シイタケ ……… 3個
ネギ ……… 半分
人参 ……… 30g
キヌサヤ ……… 12枚
ウズラの卵 ……… 8個
ショウガ ……… 20g
ニンニク ……… 2個
調味料1:
中華スープ ………300cc
醤油 ……… 大さじ2
塩 ……… 小さじ1/2
酒 ……… 大さじ1
調味料2:
塩 ……… 少々
水溶き片栗粉 ……… 大さじ2
胡椒 ……… 適量
調味料3:
塩 ……… 少々
酒 ……… 大さじ1
サラダ油 ……… 大さじ1
片栗粉 ……… 小さじ2
胡椒 ……… 少々
作り方:
1.イカを幅3cmに切り、幅0.5cmで交互に切れ目を入れてから一口大に切る。ボウルに調味料3とイカを入れ、よく混ぜ合わせて揉んでおく。ウズラの卵は沸騰したお湯に入れてゆで卵にし、殻をむいておく。白菜の芯の部分を薄切りにし、葉の部分を一口大に切る。シイタケは石づきを取り、薄切りにする。ネギは一口大にぶつ切りにする。ニンジンは皮を向いて薄く短冊切りにする。キヌサヤはヘタとスジを取りよく洗っておく。ニンニクはみじん切りにする。
2.沸騰したお湯で人参とキヌサヤを茹で、冷水に付けて取り出し、水気を切っておく。
3.ボウルに調味料1を全て加えよく混ぜ合わせておく。
4.熱した鍋に大さじ3のサラダ油(分量外)を熱し、白菜の芯、シイタケを入れて軽く炒め火が通ったら、白菜の葉を入れて炒める。火が通ったら取り出し油を切っておく。
5.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)を熱し、ニンニク、ショウガ、ネギ、イカを入れて炒める。イカに入れた切れ目が開いたら、作り方3の混ぜ合わせた調味料1を加えて沸騰させる。作り方4の白菜とシイタケ、作り方2のニンジンとキヌサヤ、ウズラの卵を加え、スープと混ぜ合わせる。火を止め調味料2の塩、コショウで味を調えたら、水溶き片栗粉を加えて混ぜ合わせ、とろみがついたら完成。
Point:
材料は好みでいろいろなモノを加えて賑やかに作って下さい。エビ、キクラゲ、タケノコ、ホウレンソウ、スイートコーン、ピーマン、豚肉の薄切り、シメジ、空心菜、ゆで卵、白身魚など何でもOKです。(ちなみに筆者は薄切りにした「もち」を炒めて入れるのが旨いと思っています。)
調理は材料を火を通す時間と方法で分け、別々に調理したモノを最後にまとめて作ります。好みの食材を加えるときは、火の通し時間と方法によって、それぞれの調理段階に足して作って下さい。
ご飯を添えるのを忘れずに!
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