安徽料理は八大菜系のほかの料理と比べて知名度が低く、ほとんどの日本人は安徽料理を一度も食べることなく一生を終えてしまいます。本場中国人ですら安徽省以外の人が安徽料理を食べることは簡単ではないのでしかたありません。そして残念ながら台湾にも安徽料理の店はありません。
名前にある「符離」とは安徽省宿州市の北にある符離鎮という地名のこと、その歴史は実に2000年に及ぶという非常に高名な料理なのですが、安徽料理自体が余り有名でないため日本で(それどころか台湾でも)紹介されることはほとんどありません。おそらく日本語のレシピは史上初公開でしょう。材料さえ揃えばわりと簡単に完全再現が可能ですので、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。もともと年越しやお祭りのときに食べるおめでたい料理だそうです。
『符離集燒雞』は山東の『德州扒雞』、遼寧の『溝幫子熏雞』、河北の『道口燒雞』と合わせて中国四大名鶏(料理)ともいわれます(ちなみに当地ではもちろん簡体字)。生きているうちに全部食べてみたいですね。何とかレシピを探して当ブログでも紹介したいと思いますので、気長にお待ちください。
もともと符離鎮では『符離集燒雞』のいろんなお店があり名前がそれぞれ違っていたのですが、中華民国政府が1951年に名称を統一し現在の名前になりました。それ以前は『符離滷雞』などと呼ばれていたそうです。その昔は皇帝も食べたといわれるほどの本当にいろいろと由緒ある料理なのですが、2006年に本家最寄の符離集駅が旅客営業を停止してしまい、訪れる観光客もなく地元の料理店が絶滅の危機に瀕しているようです。まぁほとんどが名前だけ使用した偽料理の店らしいですが…。安徽省の別の地域ではしっかり伝統的なものが食べられるそうですが、地元符離鎮にあるしっかりした『符離集燒雞』を作る店は非常に困惑しているようです。
安徽料理にはこのようにマイナー故のなんともやるせないニュースがたくさんあります…。
本日のレシピは日本で作れる数少ない安徽料理のレシピです。筆者もいずれ再現し実践編を紹介する予定です(香辛料は全部揃ってますし)。さぁ、作りたい人は今すぐ漢方薬局にレッツゴー!メールかメッセージいただければ甘口男でも調合済みの香辛料を送りますよー。
非常に香り高い肉質の柔らかい料理ができますので、完成したら家族やお客さんを招いて味わってみましょう。
難易度:
☆☆☆(香辛料の入手による、作るだけなら☆☆)
調理時間:
半日
材料1:
鶏肉 ……… 1匹(約1kg、1匹丸ごと使います)
材料2:
八角 ……… 1個
山奈 ……… 2g
小茴香 ……… 2g
沙仁 ……… 1g
白芷 ……… 2g
肉豆蒄 ……… 2g
花椒 ……… 5g
桂皮 ……… 6g
丁香 ……… 2g
陳皮 ……… 6g
草果 ……… 2g
辛夷 ……… 2g
(生)ショウガ ……… 20g
調味料:
塩 ……… 15g
砂糖 ……… 6g
水あめ ……… 2g
ごま油 ……… 500g
水 ……… 2000cc
作り方:
1.鶏肉の両足をたこ糸などで縛り、胸骨から胸を縦半分に割って体内をきれいに洗う。
2.風通しのいい日陰で数時間置くなどして水分を抜いたら、刷毛などで水あめを全体に塗っておく。鍋にごま油を引き中火で140-150度に熱したら、鶏肉を入れて時々上から油をかけながら、全体がきつね色になるまで弱火で加熱しながら火を通す。
3.鶏肉が入る寸胴鍋に水2000ccを沸騰させ、材料2を綿袋などに入れたモノを加えて沸騰させる。沸騰したら塩、砂糖と作り方2の鶏肉を丸ごと鍋に入れ、強火で再び沸騰させる。水の量は鶏肉が浸かる程度の量を鍋の大きさに合わせて調節すること。一度アクを取り除いた後、上下をひっくり返したら、蓋をしてそのまま弱火で4時間煮込んで完成。
Point:
調理に使ったスープはそのまま同じ料理を調理するために2、3回続けて使えます。ごま油もそのまま別の鶏肉の調理に使えます。
材料さえあれば作るのはそれほど難しくありません。今すぐ香辛料ショップか漢方薬局へ向かいましょう。
実は鶏肉の縛り方、さばき方には伝統的な方法があるそうですが、店や時代によって違うようです。それほどこだわる必要はありません。
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