先日台湾の特別なデザートとして紹介した『仙草ゼリー』、今日はその材料である仙草を使った鶏肉料理を紹介します。 台北ではなかなか見かけることはできない料理ですが、台湾客家の本場新竹地方では、割と多くのレストランで食べられます。
仙草を材料に使った料理はこの料理くらいで、しかも台北ではあまり見かけないので、台湾上級者の方も食べたことどころか見たことも聞いたことも無いという人がほとんどでしょう。仙草で真っ黒に染まったスープは、鶏皮から染み出たコラーゲンと抽出された多糖類でほんのりとろみがついています。(冷やせば固まると思います。)なんとも体に良さそうな料理です。
味は酒、塩、砂糖とシンプルですが、仙草独特のほんのりとした苦味が逆に食欲をそそる料理です。もし薬膳目的に作るなら紫蘇や黄芩、薄荷を少量加えてシソ科づくしの料理にしてもいいかもしれません。溜まっている毒気や鬱憤が全部吹っ飛んでしまいそうな料理になりそうです(笑)。
見た目は真っ黒で多少物怖じしてしまいますが、じっくりと器ごと長時間蒸された鶏肉はびっくりするほど柔らかく、3-4人で鶏一匹分くらいは軽く食べられてしまいます。新竹を訪れた際は、ぜひ食べていただきたい郷土料理です。
難易度:
☆☆☆(材料入手による)
調理時間:
3時間
材料:
鶏肉 ……… 1匹分
(地鶏などの柔らかいものがよい)
乾燥仙草 ……… 500g
クコの実 ……… 15g
大棗 ……… 10g
調味料:
水 ……… 3000cc
酒 ……… 大さじ1
塩 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 小さじ1/2
作り方:
1.鶏肉はよく洗い、沸騰したお湯に入れて表面の色が変わるまで茹でる。軽く火が通ったら調理用の鍋に入れておく。
2.大き目の鍋によく洗って雑物を取り除いた乾燥仙草を入れ、水を加えて1時間煮込む。
3.煮込んだ仙草のエキス1500ccを作り方1の鶏肉を入れた鍋に入れ、大棗とクコの実を加える。(残ったエキスは適量の砂糖を加えて『仙草茶』として飲むとよい。)
4.調理用の鍋を蒸し器に入れ、90分蒸す。
5.塩、砂糖で味を調え、酒を振りかけて完成。
Point:
蒸し器に調理鍋が入りきらない場合は、材料を半分にして小さな鍋でつくってください。
作り方3でエキスだけを加えると、スープの色が薄めに、エキスと共に仙草も一緒に加えると濃い黒色のスープができます。
最初から仙草と一緒に鶏肉を煮込む調理法もありますが、すこし苦味が鶏肉に移ってしまうので、ここでは先に仙草を煮込み、エキスで調理する方法を取っています。
夏ばて時などに材料が手に入れば作ってみてください。
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