2017年1月15日日曜日

醉雞│酔っ払い鶏

難易度:☆ 調理時間:半日-数日
中国の伝統料理『醉雞│酔っ払い鶏』のレシピを紹介します。柔らかく蒸して火を通した鶏肉を紹興酒に浸けて作る冷製料理です。お酒の種類を変えることで様々な『醉雞』を作ることができます。お酒に浸けてから火を通すレシピと、火を通した後にお酒に浸ける二種類の作り方があるのですが、今回は後者の方法を紹介します。

この料理に使う紹興酒は日本でもよく知られた中国のお酒です。中国浙江省紹興市で作られる醸造酒を指していうブランド名なのですが、同じ製法で作られれた別の地域の酒を同じ名前で呼ぶことがあります。深褐色の香り高い酒で、直接飲用にするほか調味料として数々の中華料理に用いられます。

本来紹興酒とは紹興市の南西にある鑑湖と呼ばれる湖の水で仕込んだものだけを指します。紹興市の水で仕込むから紹興酒なのです。浙江省周辺を旅行することがあれば本物の紹興酒を飲んでみたいものです。

さて紹興酒は製法により含まれる糖分に差があり、それぞれ別の名前で呼ばれます。古来の製法で作られたものを「元紅酒」、それより米と麹の量を増やして作ったものを「加飯酒」、水の代わりに元紅酒を使いさらに甘く作ったものを「善醸酒」、麹を増やし、さらに甘い粕取り焼酎を使って作ったものを「香雪酒」と呼び分けます。

元紅酒は古代の製法では朱色の甕を使って醸造していたことから名づけられています。加飯酒はその名の通り米を増して作る酒で、原料が多いため醸造時間が3年ほどかかります。古代中国では女児を出産したときに友人らがもち米を送り、それを原料に作った酒を甕に入れて土中に保管し、娘が嫁入りする時に掘り出して祝うという風習がありました。この長期間保存した紹興酒を「花雕酒」といい、今でも高級品として市場に出回ることがあります。善醸酒は三年以上保存した元紅酒を水替わりに使って作る紹興酒で、高い糖分と芳醇な香りが特徴のお酒です。糖分が高いため長期保存ができないため古酒はありません。醸造が終わったものから順次消費されます。香雪酒は元紅酒の粕を蒸留して作った透明な焼酎を水の代わりに使い、原料から麦麹(これがないと紹興酒の深い色が出ません)を抜いて作った透明な紹興酒で、10g/100mL以上という高い糖分濃度をもつリキュールのような酒です。

日本や台湾で飲める紹興酒はほとんどが加飯酒です。これ以外の紹興酒を飲む機会があればぜひ味わってみたいものですね。 香雪酒を使ったカクテルを作れば名付け親になれるかもしれません。

それではレシピです。いろいろなお酒で挑戦してみてください。


[材料]
骨なし鶏もも肉 ……… 4本
紹興酒 ……… 350cc
 (ほかの酒を使ってもよい)
塩 ……… 大さじ1-2
水 ……… 300cc
砂糖 ……… 小さじ1

[作り方]
1.鶏もも肉をよく洗い、よく水気を切る。表面に塩を刷り込み、紹興酒50ccを振りかけて30分ほど浸けておく。

2.鶏もも肉の皮を外側にしてラップかアルミホイルで包み、円筒形にきつく巻いておく。

3.作り方2の鶏肉を蒸し器にかけ、30分ほど蒸して火を通す。火が通ったら取り出してすぐにラップかアルミホイルを外す。

4.鶏肉を並べて入れることのできる容器に作り方3の鶏もも肉を並べたら、水、残りの紹興酒、塩、砂糖を溶かしたものを注ぎ、蓋をして鶏肉が常温に冷めるまで浸けておく。鶏肉の温度が下がったら容器ごと冷蔵庫に入れ、12-24時間ほど浸けておく。

5.容器の中の鶏肉を取り出して軽く洗ったら、水気をよくふき取り1-2cmほどの厚さに切り分ける。容器に並べて完成。

Point!
鶏肉を浸けておく時間は長ければ長いほど味が染みますが、その分お酒の香りもきつくなります。長くても一日くらいにしておくのが良いでしょう。

紹興酒を使うのが一般的ですが、焼酎や日本酒で作っても美味です。お酒好きな人をお客さんに迎えるときなどに作ってみましょう。

そのままだと鶏肉にかなりのアルコール分が残ります。お酒の風味を楽しむためそのまま食べますが、子どもや車の運転をする人はレンジで少し加熱してアルコール分を飛ばしてから食べましょう。


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