数ある薬膳料理の中でも割とポピュラーな『參鬚紅棗雞湯│ヒゲニンジンとナツメのチキンスープ』のレシピを紹介します。よく知られた朝鮮ニンジンとナツメという生薬のスープで鶏を丸ごと一匹煮込んで作ります。シンプルな料理ですが、滋味に富んだ味わいを楽しめます。ヒゲニンジンという朝鮮ニンジンの中でも安い部位を使って作るので、豪華な料理ですがとても経済的です。しかも!鶏肉の大きさにもよりますが、サイズが合えば炊飯器でも作れます。
これを発展させていくと韓国料理『삼계탕│参鶏湯、サムゲタン』などになります。薬膳料理が好きな人は作り方を覚えていろいろとアレンジしてみましょう。
数ある生薬の中でも抜群の知名度を誇るチョウセンニンジン、これは俗名で標準和名はオタネニンジンと言います。学名は Panax ginseng です。俗名の朝鮮人参はその微妙な名称から近年は高麗人参と呼ばれることもありますがまったく同じものです。
古来より非常に優れた薬効を持つ植物として知られ、中国では古くから医薬品として使われてきました。俗名からもわかるように(南北)朝鮮の特産品としても知られており、両国では専売制をしいて公的機関により製造・販売の監視が行われています。生薬単体としては関連論文が最も多いものの一つです。
中国東北地方でも大量に栽培されているのですが、やはり日本で薬用ニンジンと言えば韓国製のモノがダントツで有名でしょう。オタネニンジンは優れた薬効を持ちますが、根拠のない虚言ともいえる効能効果を信じて服用している人も数多くいます。
日中韓では依然として需要が高く、生産国では大規模に栽培されていますが、深刻な連作障害を起こす作物で、病虫害にも弱い植物なので、栽培には大量の農薬が使用されます。そのため医薬品として使われるもの数ある生薬で最も厳格な農薬検査が義務付けられていますが、毎年新しい農薬が開発されては使用されているので特定の農薬の濃度だけを検査している現在の方法ではあまり意味がないとも…。まぁ、この話は言われて久しいのですが、厳格にしすぎると韓国の一地方都市が消し飛んでしまうほどの経済損失が出てしまいます。この辺の規格は微妙な外交バランスの上で成り立っているようです。
オタネニンジンは、製造・採取・加工の過程でいくつかの等級に分類され、それぞれが別の名称と価格で出荷されます。生薬として使われるのは6年ものの直根を蒸したコウジン(紅参)と呼ばれるものがほとんどですが、そのコウジンにも太さによていくつかの等級があり、また栽培途中で間引かれた間引き人参、五年物直根や加工過程で取り除いたヒゲ根部分をまとめた鬚ニンジンなどさまざまなものがあります。未加工の生物は水参、そのまま乾燥させたものは白参と呼び、さらには黒蒸や発酵させたものも出回っています。そしてそれと同じくらいのの偽物も…。
15年ほど前の韓流ブームとともにやってきた高麗人参ブームはすでに去った感がありますが、品質と価格、そして効能のバランスが取れたものを選んで使える、消費者の目もきちんと養う必要があります。ブームになったからと言って需要が倍になっても、いきなり供給を倍にするなどができないものであるということはよくよく覚えておきましょう。
[材料]
地鶏 ……… 1匹
大棗 ……… 10個
人参鬚(ヒゲニンジン) ……… 30g
水 ……… 700cc
ショウガ ……… 20g
紹興酒 ……… 大さじ1
[調味料]
塩 ……… 小さじ1
[作り方]
1.地鶏をよく洗い、沸騰したお湯にくぐらせてアクを抜いておく。ショウガを薄切りにする。
2.土鍋に作り方1の地鶏、大棗、人参鬚(ヒゲニンジン)、水、ショウガ、紹興酒を入れ、蓋をして火にかけて沸騰させる。沸騰したら弱火でそのまま30分過熱し、蓋をしたまま15分ほど蒸らして完成。
Point!
炊飯器で作る場合は、すべての材料を内鍋に入れた後、炊飯のスイッチを入れて炊きあがるのを待つだけです。
生薬を加えていくならまずは黄耆、そして粳米が鉄板でしょうか。 あとは栗、白果などもお勧めです。この辺全部加えるとまぁ『参鶏湯』ですね(笑)。
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