定番中華『糖醋里肌|豚ロースの甘酢あんかけ』のレシピを紹介します。揚げて火を通した豚ロース肉にケチャップベースの甘辛いソースを絡めて食べます。野菜も適量採れますし、白身魚などでも作れる応用の幅の広い料理です。ソースの比率も簡単で覚えやすい料理です。
中国には四大名酢と呼ばれる酢のブランドがあります。日本でもおなじみ江蘇省の「鎮江香醋」、山西省の「山西老陳醋」、福建省の「永春老醋」、四川省の「保寧醋」の四つがそれです。すべて黒酢に分類されます。
鎮江香醋はもち米を原料に一度酒を作った後、籾殻と酢酸菌を加えて3週間発酵させ、その後半年から5年ほど寝かせて作ります。籾殻が分解するときにできるアミノ酸による独特の香りと旨みが特徴です。日本では食材というより健康食品として知られており、大体どこの薬局でも手に入るかと。
山西老陳醋はモロコシを原料に、オオムギとエンドウから作った麹を大量に加えて作ります。発酵後にサンショウなどを加えて香りをつけながら酢化するのが特徴で、黒紫色の独特の風合いを持ちます。寒暖差の激しい野外で長年熟成させたものは極めて濃厚な風味があり、「天下第一酢」を自称します。
永春老醋はもち米をベースに、黒ゴマと福建名物の紅麹を加えて作ります。今でも宋代から変らぬ伝統の製法で作られ、防腐剤などの添加物を全く加えないのが特徴です。原料由来の発酵微生物が生の状態で豊富に含まれており、この点で他の酢と区別されます。天然製法ですがかなりの長期保存が可能だそうです。
保寧醋はもち米やトウモロコシを原料に、黄連、杜仲、白豆蔲、荊芥、客家など70種類近くの生薬を配合して作られる特殊な酢です。大量の生薬が配合されているため「薬酢」とも呼ばれます。赤紫色の美しい酢で、殺菌、風邪防止、開胃健脾、清心益肺、血圧効果、食欲増進など様々な効果を持ちます。
どれもおいしそう、何より体に良さそうです。 他にも中国各地にそれぞれの土地を代表する酢の産地があり、それぞれの伝統料理にも欠かせない調味料となっています。全部まとめて手に入れて飲み比べてみたいですね。
一口に酢といっても色々な作り方があり、味や風味も全く異なるようです。同じ料理をいろんな酢で作って食べ比べ、そんな贅沢な一日を過ごしてみるのはいかがでしょうか?
[材料]
豚ロース肉 ……… 250g
タマネギ ……… 50g
ニンニク ……… 5個
ピーマン ……… 100g
片栗粉 ……… 適量
[調味料]
ケチャップ ……… 大さじ4
酢 ……… 大さじ4
砂糖 ……… 大さじ4
塩 ……… 少々
[作り方]
1.豚ロース肉を一口サイズに切り分け、表面に片栗粉をまぶす。鍋に揚げ物油を入れて130度に熱し、衣を付けた豚ロース肉をきつね色になるまで揚げて火を通す。火が通ったら取り出して油を切っておく。
2.タマネギを食べやすい大きさに切る。ニンニクをみじん切りにする。ピーマンを食べやすい大きさに切る。
3.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、ニンニクとタマネギを炒めて香りを出す。続いて全ての調味料を加えてソースを作ったら、作り方1の豚ロース肉とピーマンを鍋に入れてソースと絡める。ソースと具が絡むように混ぜあわせたら1分ほど煮込んで完成。
Point!
調味料を鍋に入れてからは強火で加熱しません。酸味が飛んでしまうので、沸騰するかしないかギリギリの火加減で作りましょう。
メインの豚ロース肉は白身魚や鶏肉で代用も出来ます。
台湾では野菜にキュウリのうす切りやニンジンが入ることも。色々とアレンジしてみましょう。
酢を少し減らしオレンジジュースを加えて風味をつける方法もあります。好みでどうぞ。
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