日本でよりもアメリカで有名な中華料理『左公雞|ジェネラルツォーズチキン』のレシピを紹介します。もとは湖南料理とされる辛味と酸味のバランスが取れた見事な料理です。日本の家庭でも『唐揚げ』感覚で再現できますので、ぜひ挑戦してみてください。ご飯と合います!
『左公鶏』は別名を『左宗棠鶏』とも呼ばれ、アメリカで根強い人気のある料理です。それもそのはず、アメリカの海兵隊学校では食堂の定番メニューとなっており、軍人らにとっての「学食の味」という地位を得ているからのです。料理名の「左宗棠」は中国湖南省出身の実在の将軍の名前で、英語では『General Tso's chicken』などと表記されますが…左宗棠はこの料理と余り関係ないのだとか…。また湖南料理…とはされていますが、湖南出身の料理人が台湾で開発したという説もあり正直なところ名前の由来ははっきりとしていません。とてもおいしいので、ぜひ日本でも再現してみましょう。前に作った『自家製ラー油』も使えます。
というわけで、総統選挙が終わりました。大方の予想通り民進党の蔡英文候補が次期総統に確定し、立法委員も民進党が過半数を取りました。
選挙結果は
1.比例代表
民進党18席 国民党11席 時代力量2席 親民党3席
2.小選挙区
民進党49席 国民党20席 時代力量3席 親民党0席 無所属1席
3.原住民
民進党1席 国民党4席 時代力量0席 親民党0席 無党団結聯盟1席
となり、合計で
民進党68席
国民党35席
時代力量5席
親民党3席
無党団結聯盟1席
無所属1席
となりました。
民進党は前回の40議席から大幅に議席を伸ばし、全113席の過半数をゲット。逆に国民党は前回の64席から大幅に数を減らし野党に転落しました。また2015年に結成されたばかりで今回初参戦の時代力量が5議席を獲得する大躍進、親民党は議席維持、無党団結聯盟は1議席、無所属が1議席という結果になりました。
民進党は1986年に国民党の独裁に反発する勢力が集まってできた台湾初の野党で、徐々に勢力を伸ばし、一度は陳水扁氏を総統の座につかせます。しかし彼の汚職により支持を失い、再び野党へ。国民党への不満が再び募っていたところに、2014年の統一地方選で圧勝、今回の選挙でも歴史的圧勝となり、党主蔡英文氏を総統につかせることになりました。民進党はもともと台湾の独立自治を掲げている政党で、一時はウルトラCの裏技(そのうち紹介するかも…)で台湾を独立させようともくろんだりもしていましたが、内外の環境変化によって現在は独立への態度を軟化させ「ひとまず現状維持」、「現状を変える場合は国民に問う」と至極全うな路線へ転換しています。
中国国民党は言わずもがなの外来政権で、もともと生粋の台湾人(日本統治を経験した内省人)にはあまり支持されていません。ただし大陸から渡ってきて現在の台湾の政府機能を数十年に渡って担ってきた実績(とそれを国民に浸透させる教育能力)があり、軍人や公務員、大企業などに強い基盤を持っていました。その分…汚職や悪政(圧政、誘拐、スパイなど)の実績も積み重なっており、叩けば埃の出る身…というか埃だらけの旧来政権でした。それでも何とか政権運営は行えていましたが、現職の馬英九総統が中国へ急接近、中華民国の独自性が脅かされると考えた民衆の支持を失い、また今回の選挙に当たって党内のゴタゴタが次から次に発生し大敗しました。とはいえ民進党の政策次第では次の選挙で息を吹き返す目もあるので、党内の結束を固めるのに尽力してほしいものです。国民党が絶対優勢の選挙区というのが台湾内にいくつかありますが、それ以外はほぼどこも辛勝でした。中南部での議席もことごとく失いましたし、今回獲得した北部の議席も0.3%差とかの僅差での勝利が目立ちました。今回新北市選挙区で民進党候補に議席を 奪われる展開が目立ちましたが、新北市市長の座を捨てて総統選に立候補した朱立倫氏がそのまま新北市で選挙の応援を行っていれば、もう3-4議席は維持で きていたのではないでしょうか…。満身創痍ですが、どこまで回復できるでしょうか。
今回第二野党となった新進気鋭の時代力量はそもそも馬英九総統の失政がなければ誕生しなかった政党です。2015年初頭に台湾のメタルバンド閃靈樂團のメインボーカル「Freddy」こと林昶佐氏や学生運動の裁判や企業汚職の告発などで活躍した台北大学の教授黃國昌氏が中心となって結成されました。党内各人がそれぞれの専門分野で「今のままでは台湾が危ない」という危機感と「台湾を救いたい」という目的を共有し、同じように感じる台湾国民から一定の支持を獲得することに成功しました。党員はもともとが法学や政治学、言論、ライブパフォーマンスのプロフェッショナルであり、一風変った選挙戦を行ったのも記憶に新しいところです。党内の意見が対立したときに、どれだけ結束を固められるかが今後の焦点でしょう。日本の小規模政党のように空中分解してしまわないことを祈ります。
親民党は国民党が分裂してできた政党で、小規模ですが強固な地盤を持ちます。国民党がいやになった国民党の政治家が国民党の票を奪う形で合流し、徐々に徐々に勢力を増している感があります。ただ国民党の二番煎じのイメージが強く、アンチ国民党派の支持が得られないため現状は国民党の基盤を切り崩すので精一杯です。 今回国民党が支持を失ったのと同じように議席を減らしましたが、もともと議席数が少ないのであまり印象は変りません。国民党内の不正を告発するなど、対立路線を明確にしたほうが票は伸びそうです。
最後に無党団結聯盟、今回は元歌手で原住民の高金素梅氏が当選しました。時代力量と同じく無党派の政治家が集まってできた党で、いわゆる中道政治を掲げています。台湾ではあまり成功しない政治理念ですが、全体的にうっすらと支持されているといった感じでしょうか。複数政党に順位を付けて投票できるようになると三番目か四番目あたりで票を集められそうです。
次回は台湾の選挙報道の面白い点について。選挙は終わりましたが、もうちょっとだけ時事ネタ続けてから本来の料理コラムに戻ります。
それではレシピです。
[材料]
骨なし鶏もも肉 ……… 200g
トウガラシ ……… 4本
ネギ ……… 100g
ニンニク ……… 1個
[調味料1]
醤油 ……… 小さじ1/2
水 ……… 20cc
片栗粉 ……… 小さじ1
紹興酒 ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 少々
[調味料2]
醤油 ……… 小さじ1/2
ケチャップ ……… 大さじ1
酢 ……… 小さじ1/2
ラー油 ……… 小さじ1
砂糖 ……… 大さじ1
[作り方]
1.骨なし鶏もも肉を3cm角の一口サイズに切り分け、全ての調味料1を混ぜ合わせたものに15分ほど浸けておく。
2.トウガラシの種を除き、うす切りにする。ネギを3cmほどの長さに切る。ニンニクをみじん切りにする。
3.鍋に揚げ物油を入れて160度に熱し、作り方1の骨なし鶏もも肉を入れてきつね色になるまで揚げる。火が通ったら取り出して油を切っておく。
4.熱したフライパンに大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、トウガラシ、ネギ、ニンニクを炒めて香りを出す。続いて作り方3で揚げた骨なし鶏もも肉と全ての調味料2を混ぜ合わせたものを加え、3分ほど中火で炒めたら完成。
Point!
鶏肉はふっくらと火を通しましょう。揚げるときの油の温度が高くなりすぎないよう注意です。この時できた衣にソースを絡めるよう調理します。
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