「貴州人は辛くないことを怖れる」で知られる激辛貴州料理を象徴するかのような『貴州辣子雞│貴州トウガラシ鶏』のレシピを紹介します。トウガラシのペーストを鶏肉に絡めて作る辛い辛い辛い料理です。辛いのが苦手な人はレシピを見るだけで逃げていくかも知れません。
四川にも同名の料理がありますが、作り方が若干異なります。四川省のものは乾燥したトウガラシをそのまま使うのに対して、貴州のものは湿らせたトウガラシをペースト状にしたものを使い、肉厚でうま味の濃い品種を用いるという違いがあります。
貴州省は湖南省の西、四川省の南に位置する内陸の省で、省の土地の80%が石灰岩で覆われている世界でも有数のカルスト地帯です(世界遺産にも登録されています)。熱くも寒くもなく、晴れ間が少ないという奇妙な天候の土地で、平地も少ないことから「天に三日の晴れ間なし、地に三里の平地なし」と揶揄されます。
料理は隣接する四川や湖南の影響を受けて辛いものが多いのですが、省内に多く住む少数民族の辛くない伝統料理も数多く存在します。
台北の迪化街にも貴州料理の専門店があるので、辛いものが好きな方は足を運んでみてください。筆者は辛くない貴州料理がおいしくて好きです(笑) 。
[材料]
鶏肉 ……… 1匹分
乾燥トウガラシ ……… 100g
ショウガ ……… 30g
ニンニク ……… 10個
[調味料]
酒 ……… 小さじ2
老酒 ……… 小さじ2
(香りの強い酒で代用可能)
塩 ……… 小さじ1
水 ……… 300cc
[作り方]
1.鍋に乾燥トウガラシとトウガラシが浸かるくらいの熱水(分量外)を入れ、蓋をして弱火で10分煮込む。乾燥トウガラシがほど良く水を吸ったら、取り出して水気を切っておく。
2.鶏肉を2-3cm大のさいの目に切り分ける。ショウガの皮を剥き、包丁の腹で叩いて繊維をほぐしておく。半量(5個)のニンニクの皮を剥き、ショウガと作り方1のトウガラシと共にミキサーにかけて粉砕する。
3.熱した鍋に大さじ3のサラダ油(分量外)をひき、140度ほどに熱する。作り方2で粉砕したショウガ、ニンニク、トウガラシを入れ、かき混ぜ続けながら5分ほど弱火で炒める。
4.作り方3の鍋に作り方2の鶏肉を加え、水気を飛ばすように強火で表面の色が変わるまで炒める。続いてすべての調味料と残り5個の皮を剥いたニンニクを加え、加熱して水を沸騰させる。そのまま蓋をして時々かき混ぜながら弱火で1時間煮込む。
5.作り方4の鍋の蓋を開け、水分を飛ばすようにかき混ぜながら加熱する。スープに粘りが出て鶏肉に絡むようになったら器に盛りつけて完成。
Point!
味の素や中華スープの元などを加えてうま味を足して作ることの方が多いです。好みで調味料に加えてください。
辛さが命の料理で、辛ければ辛いほど貴州の人は好んで食べるようです。健康を害さない範囲で辛さを追求して下さい。
鍋料理の前菜として使われることが多い料理で、食べ終わった後の残ったトウガラシペーストはそのまま鍋に投入、調味料として使われます。
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