シンプル!素朴!カレーの付け合せとしておなじみの『饢│ナン』のレシピです。今回は新彊地区のパン風ナンを再現してみましょう。パンとほぼ同じ材料だけで作れます。
今回紹介する『饢│ナン』は新彊地区の作り方で作ります。オーブンや石釜で焼いて作るので『新疆烤饢』などとも呼ばれます。通常は「饢坑」と呼ばれる特殊な石釜で焼きますが、今回は家で作るためオーブンで焼き上げます。
『ナン』はもともとペルシャ(現在のイラン)出身の料理です。現在世界中に広がるパンの発祥もこの辺りの地域なので、パンとは同じ祖先を持つ料理ということとなります。古代この地域で栽培されていた小麦が世界中に広がっていく過程でパンも一緒に伝わっていきました。
いつごろかは正確にはわかっていませんが、いつからか生地を発酵させたパンが作られるようになり、これがナンの原型となりました。発酵させていない生地を使ったものは『ナン』とは呼ばないので注意しましょう。『ナン』の分布は西はエジプトから南はインド、北はアフガニスタンやタジキスタン、東はウイグルや新彊地域までです。またこれら以外の地域でもインド料理レストランなどで提供されることがあります。
各地域で形状にも特色があるのですが、多くはピザのような円形、またはベーグルのようなドーナッツ型(ただし中央は完全な穴ではありません)で、四角形のもの、ねじったものなど様々です。
我々日本人がよく知る『ナン』はやっぱりインドの三角形を延ばしたような形状のものでしょうか。実はインドの『ナン』は多くの『ナン』の中でもかなり特殊な形状をしており、あの形の『ナン』はインドでしか食べられません。インドでは手でものを食べる習慣があるためあのような独自の形に進化したのだといわれています。なるほど納得です。
オーブンがない場合はフライパンでも作れます。筆者はインドから来た留学生がガスコンロの火に直接生地をかぶせて作っているのを見たことがあります。これが本当の直火、目が点になりました(笑)。
パンと同じように幅広いアレンジが可能な『ナン』、パンよりも短時間で作れるので、カレーを作るときなどに挑戦してみましょう。あ、でも今回の『ナン』は新彊風のものなので、カレーよりは羊肉のスープとかによく合います。
台湾では…確か板橋に新彊のナンを専門で作る店があったはず…。
[材料]
中力粉 ……… 300g
水 ……… 110cc
卵 ……… 50g
酵母 ……… 3.5g
サラダ油 ……… 30cc
クミン ……… 適量
胡椒 ……… 適量
胡麻 ……… 適量
[調味料]
砂糖 ……… 小さじ1
塩 ……… 小さじ1/2
[作り方]
1.オーブンを200度に予熱しておく。ボウルに中力粉に水、卵、サラダ油を混ぜ合わせ塊を作ったら、30度ほどの水(分量外)で溶いた酵母を加えてよく混ぜ合わせる。全体が均一に混ざったら砂糖と塩を加え全体をよく捏ねる。表面にやや光沢が出るくらいまで混ぜ合わせたら、濡れ布巾かラップで蓋をし、常温で1時間ほど発酵させる。
2.生地の大きさが二倍ほどに膨らんだら取り出し、生地を2-3個の塊に分けてボール状に成形する。ちぎった生地は10分ほど寝かせ、麺棒などで中心部を薄く、縁が少し熱くなるように延ばす。
3.生地の表面に霧吹きなどで水を拭きかけ、クミン、胡椒、胡麻などを好みの量散らす。束ねた竹串などで表面に模様をつける。
4.予熱しておいたオーブンに生地を入れ、10-12分ほど記事がきつね色になるまで焼いたら完成。
Point!
きれいな円形に成形しなくても焼けます。オーブントースターに入る大きさにすればオーブントースターでも作れます。
生地を延ばさずに球形のまま中心部をくぼませ、ベーグルのようにして作る方法もあります。生地の厚さによって焼く時間が変わってきますが、色々と試行錯誤しながら好みの形とサイズで作ってみましょう。
発酵時間は気温により異なります。生地が二倍ほどに膨らむ時間を目安にしてください。
今回の『ナン』はピザ生地のような形状に作るので、みじん切りにしたタマネギ、うす切りのハムやソーセージ、そしてチーズとケチャップソースをかければ中華風ピザの完成です。
生地にチーズやヨーグルトを練りこんで作る方法もあります。
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