定番四川料理の一つ『棒棒雞│棒棒鶏、バンバンジー』のレシピを紹介します。手軽に作れる上にさっぱりとした味付けで、暑い夏には持って来いの中華料理です。
『棒棒雞』の「棒」とは、もともと火を通した鶏肉を棒で叩いて裂いたことに由来します。本場四川では鶏肉のみで他の野菜は使いませんが、日本や台湾ではキュウリなどの野菜を添えて作るのが普通です。今回のレシピでもキュウリを添えています。
ソースの作り方も作り手によって千差万別で、味の素などを使ってうま味たっぷりに仕上げたり、香辛料を多用して香りや辛さを際立たせたりと様々な『棒棒雞│棒棒鶏、バンバンジー』が存在します。休日は自分好みの『バンバンジー』を探して四川レストランめぐりと洒落込むのも悪くなさそうです。
肉を棒で叩いく技法は中国で6世紀に書かれた《齊民要術》という書物に記載があります。この書物は世界最古の農業書としても有名なのですが、その第八巻に"作度夏白脯法:(中略)浥浥時,以木棒輕打,令堅實。〈僅使堅實而已,慎勿令碎肉出。〉"という記載があります。当時は肉を固めるための技法だったようで、肉を潰してはならないという注意書きがあります。
残念ながらこの『白脯』の作り方は今では失伝してしまい、再現した料理を作れなくなくなってしまいました。そして明清代この『白脯』の作り方を模したとされる『棒棒鶏』がなぜか四川省で生まれ、今に伝わることとなりました。伝説によると『棒棒鶏』は四川省南部にある楽山地区で生まれたとされ、最初期は『嘉定棒棒雞』、『樂山棒棒雞』などと呼ばれていたそうです。ぜひ本場の『棒棒鶏』を現地で味わってみたいものですね。
台北にも数多くの四川料理の店がありますが、各店の『バンバンジー』はそれぞれ驚くほど味に違いと特徴があります。筆者も今週末は四川料理店めぐりに出かけてしまいそうです(笑)。
[材料]
鶏もも肉 ……… 500g
キュウリ ……… 200g
ニンニク ……… 4個
[調味料]
胡麻ドレッシング ……… 小さじ1
醤油 ……… 大さじ2
水 ……… 大さじ2
酢 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 大さじ1
ラー油 ……… 大さじ2
山椒粉 ……… 少々
(なくてもよい)
[作り方]
1.鶏もも肉を沸騰したお湯で10分ほど煮込み火を通す。火が通ったら取り出して氷水に浸けて荒熱を取り、包丁の背で叩いて繊維をほぐした後0.5cmほどの太さの細切りにする。
2.キュウリを千切りにし、器の底に敷き詰めておく。
3.ニンニクをすり下ろすか細かくみじん切りにし、すべての調味料と混ぜ合わせてソースを作る。作り方2のキュウリの上に作り方1の鶏もも肉を乗せ、ソースをかけて完成。
Point!
鶏もも肉は茹でるより蒸した方がやわらかく作れます。
キュウリの千切りは一度少量の塩で揉んで水気を除き、塩を洗い流してからキッチンペーパーなどで水気をふき取っておくとソースの味が薄くならずに済みます。時間があるときはちょっとひと手間かけてみましょう。
キュウリの代わりに好みでトマトのうす切りやネギの千切り、コンニャクの千切りを添えてみましょう。和風にゴマを散らしても美味です。
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