福建省北部の伝統料理『雙錢蛋茹│腸詰卵スープ』のレシピを紹介します。豚モツに入れたとき卵を加熱し、飾り包丁を入れてからスープで煮込んだとても美しい料理です。ぜひ一度作って美しさを堪能してください。
この『雙錢蛋茹』は福建省北部の漢族に伝わる伝統料理です。輪切りにされた卵が二つ繋がっている形状から「雙錢(双銭)」と名付けられました。いわば貝殻みたいな見た目なのですが、それをお金と言ってしまうのが中国人らしいところ(笑)。話によると清代に開発されたそうですが、数百年経っても中国人のお金を愛するの精神はあまり変わっていないのかもしれません。
さてこの料理から「茹」の字を見てみましょう。草冠がついていますが、もともとこの漢字は「植物の根が絡み合ったさま」を表しています。ちょっと難しいですが「衆賢茅茹(しゅうけんぼうじょ)」という言葉があり、これは「賢者が茅の根のように集まって議論を尽くす様子」の意味です。あとは「食べる」の意味があり、「茹葷」と書けば肉を食べるの意味です。元々はこの「食べる」の意味が本義だそうです。
実は日本語のように「ゆでる」の意味でこの漢字を使うのは、中国では南部の福建省や広東省の一部地域でだけです。いわゆる「方言」(しかも結構範囲が狭い)です。筆談ではほとんど意味が通じない漢字のひとつですので覚えておきましょう。
[材料]
豚モツ(切られていないもの) ……… 300g
卵 ……… 5個
中華スープ ……… 適量
ネギ ……… 適量
[調味料]
味の素 ……… 小さじ1/2
醤油 ……… 大さじ1
水 ……… 大さじ2
酒 ……… 大さじ1
[作り方]
1.卵をボウルに割りいれ、味の素、醤油、水、酒を加えてよくかき混ぜる。豚モツ(切られていないもの)を塩などで揉みぬめりを取ったらよく洗って水気を切っておく。
2.豚モツ(切られていないもの)の片側をたこ糸などで結んで閉じ、もう片側から漏斗などを使って作り方1の卵液を全長の2/3くらいまで入れる。もう片方もたこ糸などで結んで閉じる。
3.卵液を入れた豚モツを沸騰したお湯に浸け、中火で40分ほど茹でて中の卵に火を通す。
4.火が通ったら豚モツを輪切りにする。このとき輪切りの二枚同士をくっつけるよう、ちょうつがいの部分を残しながら切る。
5.鍋に中華スープを沸騰させ、作り方4の輪切りの豚モツを入れる。弱火で3分ほど煮込んだら器に盛り付ける。最後に千切りにしたネギを散らして完成。
Point!
派手に飾り包丁を入れた魅せる『雙錢蛋茹』も存在します。存分に腕を振るって見ましょう。また細かく包丁を入れた『雙錢蛋茹』は最後にスープで茹でるよりも、ソースのようにスープを上からかけた方が崩れにくくなります。
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