中華米料理シリーズ。前回作った『酒釀』を使って、『酒釀蛋│チューニャン卵』と『酒釀年糕│チューニャンぜんざい』の二種類の料理を作ってみましょう。『酒釀』なしで再現するなら米粒入りの甘酒を使って作ると簡単です。
さて、ここで甘酒…というかお酒の歴史を簡単におさらいしておきましょう。日本で甘酒(のようなもの)が記録に現れるのはなんと《日本書紀》。「醴酒(こざけ)」という名称で登場します。古代日本で作られていた甘酒(のようなもの)は唾液で糖化させてから作る「口噛み酒」であったといわれています。
実はこの「口噛み酒」、もともとは古代台湾の原住民、つまりオーストロネシア語祖族が世界各地に伝えたともいわれています。口噛み酒が古代台湾の原住民の手により海へ、米が雲南省あたりから東へ。この二者が出会い古代日本に甘酒がもたらされることになった(かも知れない)なんて、なんとも壮大な歴史を感じさせてくれますね。
さてこの口噛み酒は唾液中の酵素によってデンプン→糖の分解を行います。この糖を酵母によって糖→アルコールと変化させてエタノールを得るのです。このデンプン→糖の反応を糖化、糖→アルコールの反応をアルコール発酵と呼びます。実は麹菌が担当するのはこの糖化の部分のみ、麹菌だけを米に作用させると甘いだけの甘酒(『酒釀』)が出来ます。酒粕(酒糟)には麹菌だけでなく酵母が含まれるので糖化と同時にアルコール発酵が進み、これを使うとアルコール分を含む甘酒(『酒釀』)が出来ます。ちなみに酵母で得たアルコールを抽出したのが日本酒です。もちろんデンプンさえ含んでいれば原理的にはどんな食材からでも『酒釀』を作ることができ、世界各地には様々なデンプンを発酵させて作ったアルコールがあります。お酒好きには旅行の楽しみの一つとなっていることでしょう。
台湾訪問時にはぜひ『酒釀』を使った様々な料理を食べてみてください。
酒釀蛋│チューニャン卵
[材料]
酒釀 ……… 大さじ3
水 ……… 600cc
卵 ……… 4個
[調味料]
砂糖 ……… 大さじ4
[作り方]
1.鍋に水を沸騰させ、酒釀と砂糖を加えて混ぜ合わせる。さらに卵を割り入れて半熟状態まで加熱して完成。
Point!
半熟で作るのが技です。卵を入れたらかき混ぜて割ってしまわないよう注意しましょう。
夏場のスタミナ補給に食べられます。冷ましても美味です。
台湾でもゴマ団子を浮かべたものなどが食べられます。
酒釀年糕│チューニャンぜんざい
[材料]
酒釀 ……… 大さじ3
水 ……… 600cc
餅 ……… 300g
[調味料]
砂糖 ……… 大さじ4
[作り方]
1.鍋に水を沸騰させ、酒釀と砂糖を加えて混ぜ合わせる。
2.餅を入れて火が通るまで煮込んだら完成。
Point!
台湾でも年末に食べられたりします。わざわざ外で食べるより家で作る方が簡単です。
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