年越し料理シリーズが続いております。『螃蟹肉燴絲瓜│ヘチマと蟹肉の中華風あんかけ』のレシピを紹介します。ほぼ一瞬で作れるアツアツの冬料理ですが、実は体を冷まして解毒をする働きのある薬膳でもあります。
台湾では日本と違って様々な料理にヘチマを用います。スポンジ様の組織がたっぷりと水分を保持してくれるので、ハマグリやシイタケのダシを使ったスープやあんかけ料理に調理されます。特に貝類と組み合わせて調理されることが多いですが、今回は同じ海鮮で調理の手間もかからないカニ肉を使って作ります。
ヘチマは漢字で「糸瓜」と書き、熟した果実の繊維を「絲瓜絡」と言って中医学では薬に用います。夏の食材なのですが、台湾では年中栽培しているので、いつでも食べられます。日本ではこの時期入手が難しいので、夏まで待ってから作りましょう。
ヘチマはもともとは東南アジアが原産で、中国には明の時代に伝わりました。ゴマやクルミなど西方の植物はシルクロードを通じて古代中国でも栽培が行われていましたが、ヘチマやカボチャのような南方の野菜は明、清の時代に伝わりました。またインド周辺が原産の植物は仏教と共に伝わりました。同じくインド原産でもショウガのように特に有用な植物は紀元前から中国でも栽培されていたようです。世界各地の食材がどの時期にどのような経路で中国に渡り、薬や料理として使われるようになったのか?世界史の動きとあわせて考えるのも面白いと思います。
それではヘチマとカニ肉のおいしいコラボレーション。『螃蟹肉燴絲瓜│ヘチマと蟹肉の中華風あんかけ』をお楽しみください。日本では…来年のヘチマの収穫まで、気を長くしてお待ちください。
[材料]
カニ肉 ……… 150g
ヘチマ ……… 300g
ネギ ……… 20g
ショウガ ……… 10g
ニンジン ……… 40g
[調味料]
塩 ……… 小さじ1/2
固形ブイヨン ……… 小さじ1/2
砂糖 ……… 小さじ1
水 ……… 300cc
水溶き片栗粉 ……… 大さじ1
[作り方]
1.ヘチマの皮を剥いて一口サイズに切る。ネギ、ショウガ、ニンジンはうす切りにする。
2.熱したフライパンに大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、ネギ、ショウガを炒めて香りを出す。続いてヘチマ、カニ肉、ニンジンと塩、固形ブイヨン、砂糖、水を加えてヘチマが柔らかくなるまで中火で煮込んだら、水溶き片栗粉を加えてとろみを付けたら完成。
Point!
これにキノコ類をあわせると有名な薬膳『螃蟹絲瓜會冬菇』などと呼ばれる写真のような料理になります。
あんかけの量を増やしてスープ風にすれば『螃蟹絲瓜湯』です。スープのベースは普通の中華スープでかまいませんが、海鮮類やキノコ類でダシを取ると本格的です。軽くとろみをつけるのを忘れずに!
0 件のコメント:
コメントを投稿