『茄汁蝦仁│中華風エビのケチャップソース炒め』というごく普通の家庭料理を紹介します。以前も同名の料理を紹介していますが、今回はキュウリを加えて中華風に作ります。
今日は簡単に日本と台湾の野菜貿易の歴史を説明して見ます。
かつて台湾は日本への野菜輸出国として大きな地位を占めていました。南国でも栽培できる野菜のほとんどは、台湾から輸入していた時期があったのです。中国大陸部での冷凍野菜工場が稼動し始めるてからはその輸入量は激減しました。日本と同じように兼業農家が多く、高齢化や後継者不足による離農が進んでいます。台湾が貧しい国のままなら、高齢化による農地放棄で余った農地を集積し一大野菜工場を建設して農業再生をはかる道もあったのですが、経済発展を遂げてから日本と同じように農地が資産化し、容易に転売がされなくなりました。台湾にも土地神話というものがあり、特に老年者は何があっても農地を手放さそうとしない傾向があります。
個人所有の農地は売買がされないまま所有者が死亡すると、相続者に分割して土地を配分することになりますが、これも台湾農業の体力を奪う結果となっています。近年台湾では農業人口は減り続けているのですが、農業戸数は増加傾向にあるという矛盾した状況にあり、農家は零細化、細分化され続けているのです。大きな社会問題の一つとして時々ニュースや政治番組でも取り上げられます。
近年は採算の取れない米や雑穀の栽培をやめて、果樹や花卉に鞍替えする農家も多数あります。この辺台湾は日本よりも経済に敏感かもしれません。
台湾では多くの野菜が生産量を減らしている中、果実類でほとんど唯一生産量を延ばしているのがトマト。栽培に適した気候と比較的容易な栽培方法、そして近年若者を中心に需要が増大していることから、農家には人気の作物です。(他にネギ、タマネギ類の生産が微増、白菜などの葉野菜の生産が伸びている程度です。)
台湾野菜の最大の輸出先はなんと日本、次いでアメリカ、三位にシンガポールと先進国がずらりと並びます。台湾産の野菜は安全を売りにしているので、どうしても価格が高くなってしまいます。日本への主な輸出品目は冷凍枝豆、キノコ類、ショウガなどです。スーパーで冷凍枝豆を買うときは裏の原産地表示に注意してみましょう。意外な場所で台湾と出会えるかもしれません。ちなみに日本産の農作物はほとんど台湾に輸出できるのですが、トマト(類)だけは台湾に持ち込めません。これも台湾でトマトの生産量が伸びている原因の一つでしょう。
国家を取り巻く環境がめまぐるしく変わるなか、台湾農業も日本と似たような問題に直面しています。台湾の農業形態は日本と非常に良く似ているので、参考になる部分があるかもしれません。農業分野でも幅広い交流が行われるようになるといいですね。
それではレシピです!
[材料]
エビ ……… 200g
トマト ……… 200g
タマネギ ……… 50g
キュウリ ……… 100g
ネギ ……… 10g
ニンニク ……… 5g
[調味料]
ケチャップ ……… 大さじ2
砂糖 ……… 大さじ1
水 ……… 大さじ2
水溶き片栗粉 ……… 小さじ1
ごま油 ……… 小さじ1
[作り方]
1.エビはきれいに洗って殻を剥き、背ワタを取っておく。トマトはさいの目に切る。タマネギはうす切りにする。キュウリは一口サイズに切る。ネギはみじん切りにする。ニンニクはすり下ろすか、みじん切りにする。
2.熱したフライパンに大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、ネギ、タマネギ、ニンニクを炒めて香りを出す。続いてエビを入れて軽く火を通す。
3.トマト、キュウリとケチャップ、水、砂糖を入れて弱火で1分ほど汁気がなくなるまで炒める。
3.最後に水溶き片栗粉でソースにとろみを付けたら、器に盛り付けてごま油を散らして完成。
Point!
非常に簡単に作れます。ソースの水気をある程度飛ばしてからあんかけにしないと水っぽくなるので注意です。
ハマグリやイカなどその他の海鮮とあわせて炒めても美味です。溶き卵を加えてオムレツ風にするのもアリですね。
キュウリの代わりにパプリカを加えたり、コショウやバジルを利かせたり好みにアレンジしてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿