またまた2010年客家筵席料理比賽のアマチュア部門優勝作品から一品、『客家本色齒留香│極上客家小炒』のレシピを紹介します。いわゆる『客家小炒』のアレンジ作品で、少量の豆板醤を加えているのがポイントです。
あらゆる客家料理レストランでは、この料理の味を見れば他の料理の腕前も分かるといわれる「基本中の基本」の客家料理です。かくいう筆者も新しい客家料理のレストランを見つけたら、必ず注文します。基本でありながら奥義でもある、武術ような料理です。
台湾には「逢山必有客」という格言があります。「山に逢えば必ず客有り」と読み下し、この場合の客とは客家の人々のことです。古くは客家の人々は自分で栽培加工した食材と山間部で取れる山の幸以外の食材を手にすることができませんでした。山中に仕事に出かければ数日家に戻れないこともあり、その場合は自分たちで加工し持ち出した乾燥食材を様々に調理して食べるしかなかったのです。限られた食材を日持ちするように加工し、限定した条件で調理するという多くの縛りがある中で、客家の人々は創意工夫し数々のおいしい客家料理を編み出しました。こういった料理にかける中華民族の情熱は他民族の追従を許さない部分があります。
昨日の続きで客家料理を代表する食材の紹介を。
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四.柿餅
新竹北埔客家の特産品で、新鮮な柿を圧縮加工して天日干しにした扁平な干し柿である。独特の風味があり、軽微な風邪、鼻炎、また下痢止めなどにも使う。表面に現れる白色の結晶を柿霜といい、豊富なビタミンA、C、及びブドウ糖、果糖を含む。これも咳止め、潤肺の薬として用いる。
五.桔餅、桔醬
新竹北埔客家の名産品で、マンダリンオレンジを主要な原料とする。咳止め、下気、痰きり、解酒、飲み過ぎ、食欲増進、消化不良の薬としても用いる。調理に防腐剤を使用しないなどの特徴があり、天然食品としても人気がある。当地ではさまざまな食材のソースとして用いる。販売量は毎年少なくなっている。
六.客家茶
(一) 椪風茶
新竹北埔與峨眉一帯を主要な産地とする。天然山川の豊富な清水で育った茶葉は特殊な品質であるとされる。椪風茶とは毎年農暦「芒種」の前後一週間、ウンカ(稲の害虫)が茶の若芽を啄ばんだ後に出てくる若い茶葉を摘葉して製造する高級白毫烏龍茶を指す。いわゆる「東方美人」の名で呼ばれ、市場で絶大な人気がある。椪風とは膨風、すなわち客家語で「吹牛」の意味である。各地域に居住する客家ごとに呼び名が異なり、多くの別名がある。膨風茶、椪風茶、福壽茶、番庄烏龍、冰風茶、煙風茶、蜒仔茶などである。
(二) 客家擂茶
客家に伝わる特殊な茶の方式で、三国志時代の張飛が疫病を避けるために兵に飲ませた秘方が由来になっているという。客家語で「擂」とは「すりこ木ですりおろす」の意味であり、茶葉をその他の材料と共にすり鉢ですりおろし、それにお湯を加えて飲む。主要な材料は茶葉、玄米、ピーナッツ、トウモロコシ、コリアンダー、香料、塩などである。
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それでは大会で優勝した特別な客家小炒『客家本色齒留香│極上客家小炒』を日本でも楽しんでください。
[材料]
干しスルメ ……… 1枚
セリ ……… 300g
ネギ ……… 150g
葉ニンニク ……… 150g
トウガラシ ……… 3本
豚肉 ……… 300g
[調味料]
酒 ……… 小さじ2
醤油 ……… 小さじ1
豆板醤 ……… 小さじ1/2
[下準備]
1.干しスルメを水に半日ほど浸けてやわらかくしておく。
[作り方]
1.戻した干しスルメを5cm×1cmほどの短冊切りにする。豚肉を干しスルメと同じサイズに切る。セリ、ネギ、葉ニンニクをぶつ切りにする。
2.熱したフライパンに大さじ1のサラダ油(分量外)をひき、作り方1の干しスルメと豚肉を入れて表面の色が変わるまで軽く炒める。
3.作り方2のフライパンに作り方1のセリ、ネギ、ニンニク、トウガラシを入れて混ぜ合わせながら強火で炒める。調味料を入れながら混ぜ合わせ、味を調えたら完成。
Point!
調理はとても簡単ですが、干しスルメを戻すのに少々時間がかかります。可能なら2日以上浸けてさらに柔らかくしておきましょう。戻したするめは包丁で切るよりもハサミで切った方が楽に切れます。
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