本格『廣式滷鴨翅│広東式カモ手羽先煮込み』のレシピです。香辛料をたくさん使って本格的に作ってみます。本場と同じ味付けをぜひお楽しみください。
今回は生薬「陳皮(ちんぴ)」にスポットライトを当てて見ましょう。日本でも七味唐辛子に香辛料として加えられたり、ぬか床の風味付けに使われたりすることからおなじみの陳皮。ミカンの皮を乾燥させたものというのは、多くの人がご存知のとおりです。もともとは「橘皮(きっぴ)」と呼ばれていましたが、古いもの即ち陳旧のものがよいとされるので「陳皮」と名付けられました。特に広東省産のものを「廣陳皮」と呼び、最高級品とされます。
冬に我々がコタツで食べるあのミカンが、陳皮の元になる植物ウンシュウミカン Citrus reticulata です。皮を乾燥させるとそのまま陳皮になります。実は生薬「陳皮」は加工方法が日本と台湾で若干異なります。日本ではそのまま乾燥させたものを主に使いますが、中国の一部、また台湾では一度蒸してから乾燥させたものを主に使います。一度蒸したものは真っ黒なので、日本の陳皮しか知らない方が、台湾で陳皮を購入するとびっくりするかもしれません。
またウンシュウミカンの成熟した果皮を乾燥させたものが「陳皮」ですが、未成熟果実の皮を乾燥させたものは「青皮」と呼び使い分けます。陳皮が理気調中、燥湿化痰の薬であるのに対し、青皮は疏肝破気、散結消滞と効能が異なります。含まれる成分はほとんど同じなのですが、特定の成分の比率の違いが薬効の違いになって現れるようです。不思議ですね。
他にもミカン科の生薬には、枳実、仏手、香櫞、黄柏、呉茱萸、山椒、橙皮など様々なものがあります。枳実、仏手、香櫞は科だけでなく属まで陳皮と同じです。ほかにも中華料理でおなじみ「花椒(この料理でも使います)」もミカン科の植物の果皮ですので覚えておきましょう。拡大してよく見てみるとミカンの皮に似ていることが分かります。
それではレシピいってみましょう。カモの手羽先専用の調合ですのでもちろんカモ肉との相性はピッタリですが、それ以外の肉類を煮込んでも美味です。いろいろなものを煮込むのに使ってください。
[材料1]
八角 ……… 5個
小茴香 ……… 10g
肉桂 ……… 10g
花椒 ……… 8g
甘草 ……… 7g
陳皮 ……… 4g
丁香 ……… 4g
山奈 ……… 4g
草果 ……… 1個
[材料2]
カモ手羽先 ……… 6本
(鶏手羽先でもよい)
ネギ ……… 20g
ショウガ ……… 10g
ニンニク ……… 10個
トウガラシ ……… 1本
水 ……… 1000cc
[調味料]
醤油 ………120cc
固形ブイヨン ……… 大さじ1
[作り方]
1.全ての材料1をティーパックなどに詰め、水、醤油、固形ブイヨン、皮を剥いたニンニク、ぶつ切りにしたネギ、トウガラシを混ぜ合わせたものと一緒に鍋に入れ30分ほど浸しておく。
2.作り方1とは別の鍋にお湯を沸騰させ、うす切りにしたショウガと共にカモ手羽先を茹でてアクと臭みを抜く。
3.作り方1の鍋に作り方2でアクを抜いたカモ手羽先を入れ、加熱して沸騰させたら蓋をして弱火で20分ほど煮込む。火を止めたら20分ほど蒸らし、取り出したカモ手羽先をオーブンで2-3分加熱して完成。
Point!
スープは普通飲みません。他の食材を煮込むのに使いましょう。
余ったカモ肉の他の部位を煮込んでもおいしいです。カモの舌や腸などを同じように煮込むと珍味です。
アヒル肉でも作れます。
最後にオーブンで焼かなくてもおいしく食べられますが、焼くことで独特の照りが出ます。オーブンで焼かない場合は、冷やして食べても絶品です。
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