台湾伝統のお菓子『蛋黃酥│台湾饅頭』のレシピを紹介します。塩漬けの卵を餡と記事で包んで作るお饅頭のような料理で、サクサクの皮、ふわふわで甘い餡、薄い塩味の卵黄と様々な風味が楽しめます。
台湾で『月餅』をベースに発明された正真正銘の台湾料理ですが、そこかしこに日本の饅頭の製法が見え隠れするのは筆者だけでしょうか(笑)?たまには洋菓子、和菓子以外のお菓子作りも楽しいものです。
レシピでは以前紹介した『鹹蛋』の卵黄部分だけを使います。事前に必要量を作っておきましょう。作り方はこちら。
この『蛋黃酥』はもともと中華圏で流通していたこぶし大の『月餅』では大きすぎて女性が子供が食べにくいということで開発されました。1980年代初頭に台中豊原地区のお店で緑豆餡を使って作られたものが最初とされていましたが…台湾ではよくある話、「うちこそが元祖だ!」と名乗りを上げたお店と裁判になり、結局1978年に台中の寶泉食品が開発したものが最初の『蛋黃酥』ということになりました。近年開発された台湾生まれの料理を紹介するたびにこういう記事を書いてる気もしますが、気のせいでしょう(笑)。近年は新しい料理を開発するたびに新聞がすぐに取材に来るので、その新聞の日付が裁判の証拠になったりもします。台湾で「○○発祥の店」を見つけたら壁に貼ってある新聞の日付にも注意してみましょう。
さて昨今の台湾で吹き荒れる食の安全問題の火付け役となったのが、ご存知「ラードに廃油を混ぜていた」問題。この『蛋黃酥』も生地にラードを使うので消費者心理を受けて現在ほとんど流通していません。(それで自作のレシピを書いています。)台中は他にも『太陽餅』や『月餅』生産のメッカでもありますが、消費量がひどくおちこみ一時期全国のスーパーで大量の太陽餅が格安で売られていました。まさに経済学ですね…。
日本の製造業は何かにつけて安心安全を謳いますが、実は現在の台湾は日本以上に安心安全を謳った商品が氾濫しています。こういうときに自分で材料から選んで料理を作れると安心です。安全が不透明な食材が食材が日本にも大量に輸入されていますが、自分の身は自分で守れるように世界中のニュースや食の問題には注目しておきましょう。
[材料1]
ラード ……… 80g
中力粉 ……… 200g
砂糖 ……… 40g
水 ……… 80g
[材料2]
ラード ……… 65g
薄力粉 ……… 130g
[材料3]
小豆餡 ……… 200g
鹹卵黄 ……… 5個
[作り方]
1.すべての材料1をボウルに入れてよく混ぜ合わせる。完全に混ざったらビニール袋などに入れて30分寝かせておく。
2.鹹蛋の卵黄(鹹卵黄)だけを取り、クッキングシートをひいた天板に乗せて150度に熱したオーブンで10分ほど焼いて固める。取り出したら酒(分量外)をサッと吹き付けて臭みを抜いておく。固まったら卵黄を半分に切っておく。
3.ボウルにすべての材料2を入れ、よく混ぜ合わせる。
4.作り方1で混ぜ合わせた材料1を20g、作り方2で混ぜ合わせた材料2を10gとり、パイの皮を作る要領で2-3層の生地を作り、15分ほど寝かせておく。
5.小豆餡を20gで作り方2の卵黄を包み内餡を作る。
5.作り方4の生地で作り方5の内餡を包み、丸く成型した後クッキングシートを敷いたオーブンの天板に並べる。上面に解いた卵黄(分量外)を刷毛などで塗り、黒ゴマ(分量外)を散らしておく。
6.180度に予熱したオーブンで20-25分焼いて完成。
Point!
小豆餡で作ったものは正確には『豆沙蛋黃酥』と言います。餡の種類を変えると『芋頭蛋黃酥』、『蓮蓉蛋黃酥』など名前が変わります。餡の種類を変えたり、ドライフルーツや餅などを餡に加えたり、生地にココアや抹茶を練りこんだりして作ってみましょう。
新しい味を開発して台湾で売れば…、大ヒットするかもしれませんよ!甘口男は台湾起業を計画する日本の中小企業の見方です。市場調査や会社設立登記はお任せください。
原料製造元の選定は慎重に…。
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