本日は『豬腳煨麵』という料理のレシピを紹介します。いわゆる中華風の鍋焼きうどんで、今回は豚足を使って作って見ましょう。
「煨麵」と淮揚料理(じゅんよう…ではなく、「わいよう」と読みます)で使われる麺の形式で、高温のスープで麺を煮込んで作る料理の形式を指します。厳密にはラーメンの麺を使って作るのでうどんではないのですが、太目の麺を使うことが多く見た目はまったくうどんにしか見えないものもあるので料理名は「うどん」にしています。
さて、このBlogでは口を酸っぱくして何度も何度も指摘していますが、改めて書いておきましょう。「淮(わい)」と「准(じゅん)」は違う漢字です!そもそも意味からしてまったく違うのですが、中華料理のプロやいわゆる中国通の方でも、そして本場中国人でもこの二つの漢字を間違ってしまう人が非常に多いのには驚きます。ちなみに「淮揚菜(料理)」は中国“四大”菜系の一つです。
これだけ由緒ある名前なのに日本語のGoogleで検索してみると…
淮揚菜 - 138,000件
准揚菜 - 352,000件
と圧倒的に間違った表記のものが多くヒットします。間違った表記の圧倒的多数は中国語のサイトなのですが、本場中国の検索エンジン百度では…
淮扬菜 - 5,660,000件
准扬菜 - 184,000件
と結果が逆転します。台湾のYahoo!奇摩では…
淮揚菜 - 74,500件
准揚菜 - 41,400件
と二つの中間くらい。
検索エンジンのアルゴリズムにもよるでしょうが、日本と台湾では相当な数の人が表記を間違えていることが分かります。中国ではあまり間違っていないように感じますが、日本の正しい表記の総数以上に、間違った表記が存在しているのにも注目です。中国の正しい記事のほとんどがコピペであることを考えるとやっぱり相当数の間違いがあるということでしょう。ヘタするとオンラインの「国語辞典」ですら「淮」と「准」を平気で間違えているので、このブログの読者の方はしっかりと覚えておきましょう。
前置きが長くなりましたが、淮揚菜の名物「煨麵」は中に入れる具により様々に名前を変えて呼ばれます。本日の『豬腳煨麵』を始め、若鶏肉で作った『嫩雞煨麵』や野菜を煮込んだ『什錦煨麵』などもおいしいです。鍋焼きうどんを出汁ではなく、紹興酒と塩で味付けして作ると考えればいいでしょうか。色々な派生レシピを作れるのも魅力ですね。
というわけでレシピです!肌寒くなってきましたが、体を温めて風邪に負けない元気な体を作りましょう。
[材料]
豚足 ……… 1本
ショウガ ……… 20g
ネギ ……… 40g
当帰 ……… 10g
うどん ……… 1玉
水 ……… 800g
[調味料]
紹興酒 ……… 大さじ1
塩 ……… 小さじ1
胡椒 ……… 少々
[作り方]
1.豚足は食べやすい大きさに切る。ネギはぶつ切りにする。ショウガはうす切りにする。
2.沸騰したお湯で豚足を3-5分ほど表面の色が変わるまで茹でてアクを抜き、取り出して水気を切っておく。
3.熱した鍋に大さじ2のサラダ油(分量外)をひき、ショウガとネギを炒めて香りを出す。続いて紹興酒、当帰、水と作り方2の豚足を加えて中火で沸騰させる。 沸騰したら弱火にして蓋をし、3時間ほど煮込む(→Point参照)。煮込んだら塩を足して更に15分加熱する。
4.別の鍋でうどんを湯がいて火を通す。
5.作り方4のうどんを作り方3の鍋に入れ、3分ほど沸騰させたら取り出して器に盛りつける。胡椒を散らして完成。
Point!
煮込んでいるときは水の量に注意です。鍋のそこからうっすらと泡が立つくらいの火加減でかまいません。
日本人なら醤油やダシを使いたいところです。使ってもかまいませんが中華料理ではなくなります。
最後に振りかけるのは唐辛子、レモン汁、ネギでもかまいません。また豚足は普通醤油を少しつけて食べます。
土鍋で煮込むと本格的です。
鶏肉を具として使う場合は、レシピのように長時間に込む必要はありません。
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