日本ではまず食べることのできない福建の絶品料理『蟛蜞醬醉肉│福建風豚肉のカニソース和え』のレシピを紹介します。福建伝統の『蟛蜞醬│福建カニソース』という独特の調味料を使って作るシンプルな料理です。
この料理のポイント「蟛蜞醬」とは福建省伝統のカニを使った調味料で、台湾では「蟛蜞膏」や「蟛蜞汁」という名前で“ごく希に”売られていることがあります。「蟛蜞」は福建省の河川に住むカニで詳しくはこちらの記事を参照してください。
以前の記事で書いた「蟛蜞醬」は、正確には『蟛蜞酥』というそうで、それをすりつぶしたものを「蟛蜞醬」と言うそうです。日本では蟛蜞が手に入らないので、レシピではワタリガニの甲羅とエラを外して作っています。
この『蟛蜞醬醉肉│福建風豚肉のカニソース和え』はたぶん台湾の金門でも食べられると思いますので、福建料理ですが台湾料理の一部ともいえます。今まで何度か紹介していますが、台湾にも福建省の部分があるので本場の福建料理を食べたい方は金門、媽祖まで足を伸ばしてみるとよいでしょう。台湾に何度も足を運んだことのあるベテラン旅行者の方も知らないことが多いのですが、台湾(中華民国政府)の実行支配地域は(旧)台湾省と福建省の二省にまたがっています。現在は省区分による政府機能は凍結されているので、台湾で○○省というのを意識することはほとんどありませんが、今でも福建省の表記は公的機関や資格試験の証書などに残されています。
さて、福建省名物である「蟛蜞」というカニは非常に旨みが強く、古くから多くの人に美食として愛されてきました。唐代の詩家白居易も「香味珍蟛蜞、時鮮貴鷓鵠。」とその味を絶賛しています。一度本場の味を味わってみたいものです。日本で手に入るといいんですけどね。
[材料]
ワタリガニ ……… 1杯
ネギ ……… 1/4本
豚バラ肉(ブロック) ……… 400g
ショウガ ……… 30g
[調味料1]
醤油 ……… 大さじ2
塩 ……… 小さじ1
紹興酒 ……… 大さじ1
紅麹 ……… 大さじ1
砂糖 ……… 小さじ1
酒 ……… 大さじ1
[調味料1]
紹興酒 ……… 大さじ2
[作り方]
1.蟛蜞醬を作る。ワタリガニを良く洗い、殻を外してカニミソを取っておく。エラを外し、脚の肉が入っていない部分を切り落としておく。身が詰まっている部分はぶつ切りにしておく。フードプロセッサーに調味料1の醤油、塩、紹興酒、紅麹、砂糖とネギ、ぶつ切りにしたワタリガニ、カニミソを入れて粉砕し、耐熱の器に移しておく。
2.蒸し器に作り方1の器ごと入れ、強火で15分ほど蒸す。火が通ったら酒を加えてよくかき混ぜる。蟛蜞醬の完成。
3.ショウガはすりおろしておく。豚バラ肉(ブロック)にすりおろしたショウガを刷り込む。これを耐熱の器におき、紹興酒を振りかけて器ごと蒸し器に入れ、強火で15分蒸す。
4.火が通ったら豚バラ肉を取り出し、薄切りにして器に並べる。蟛蜞醬をかけて完成。
Point!
レシピを見て分かるとおり、蟛蜞醬と豚バラ肉は同時に蒸すことが可能です。蒸し器の大きさにもよりますが、可能なら同時に調理して調理時間を短縮しましょう。
豚バラ肉は可能な限り薄く切るのがコツです。豚肉で蟛蜞醬を包んで食べるのが最高の味わい方とされます。
ワタリガニ以外にも食用のカニは何でも使えると思います。殻は完全に滑らかになるまで粉砕しましょう。アミで裏ごししておくと口の中で砕き損ねた殻がザリザリするのを防げます。
レシピ通り作ると若干旨みが不足するので、蟛蜞醬の作成時に少量の味の素や固形ブイヨンを足すといいかもしれません。本場福建省でも実際にそうして作ることもあるそうなので、遠慮することはありません(笑)。
蟛蜞醬は若干余るかもしれませんが、あらゆる料理に旨味付けとして応用してみましょう。チャーハン、お粥の味付け、野菜炒めにも最適です!
余った蟛蜞醬はビンなどに入れて冷蔵庫に入れておきましょう。数日は持つと思いますが早目に使い切ってください。
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