本日は高雄の里港地区の名産『餛飩湯│里港風ワンタンスープ』のレシピを紹介します。いわゆるごく普通のワンタンスープです。
里港は台湾最南部の都市である屏東市の北部にある地名で、すぐ北は高雄市の南端と接しています。清朝時代は「阿里港」と呼ばれていましたが、日本統治時代に「阿」が取れて現在の名称となりました。古くは高雄市の一部でしたが、1950年になぜか屏東市に編入されてしまいます。
屏東市には「客家六堆鄉」と呼ばれる客家の人々が暮らす有名な地区がいくつかあり、里港もそのひとつ。「客家六堆鄉」は清朝時代に「朱一貴」が起こした反乱から身を守るために客家の人々が設立した自警団が由来になっており、現在に至るまでその他の地域における客家コミュニティよりも結びつきが強いことで知られています。正確には現在の高雄から屏東にかけての里港、高樹、九如、鹽埔、内埔、竹田、長治、麟洛、萬巒、新埤、佳冬地区の客家のコミュニティが「客家六堆鄉」で、清朝時代の台湾における多くの文化や風俗をそのまま保存しています。客家の自警団が由来になっているコミュニティーは台湾だけでなく中国、その他の中華圏でも珍しいもので、文化学や民俗学のよい研究材料になっているようです。
里港のワンタンスープが有名になったのは日本統治時代からで、台湾では割と長い歴史があります。新鮮なひき肉にラードを加えて口当たりを滑らかにしているのが特徴で、他はあくまでシンプルに作ります。
[材料]
豚ひき肉 ……… 120g
ワンタンの皮 ……… 70g
ニラ ……… 40g
中華スープ ……… 1000cc
ネギ ……… 40g
[調味料1]
塩 ……… 小さじ1/3
酒 ……… 小さじ1
ラード ……… 大さじ1
[調味料2]
塩 ……… 大さじ1/2
酢 ……… 小さじ1/2
ごま油 ……… 少々
[作り方]
1.豚ひき肉をボウルに入れ、調味料1を加えて粘りが出るまでよく混ぜ合わせる。ネギをみじん切りにし、豚ひき肉と混ぜ合わせた後、ラップをして冷蔵庫で1時間ほど寝かせておく。
2.ワンタンの皮の中央に作り方1の豚ひき肉を小さじ1ほどのせ、半分に折って少量の水で皮を接着しワンタンを作る。
3.中華スープを沸騰させたら作り方2のワンタンを加えて火が通るまで加熱し、調味料2を加えて味を調える。火を止めて5-6cmほどの長さに切ったニラをスープに加えたら完成。
Point!
豚ひき肉にラードを加えて作るのがポイントです。口当たりがとても良くなります。
できたワンタンは冷凍しておけば長期間保存できます。
市販の冷凍ワンタンを使えば好みの中華スープを沸騰させるだけで作れます。出来上がりは好みで胡椒を振りかけたり、醤油をたらしたりして味を整えてください。
レシピでは中華スープとだけ書いていますが、醤油や魚醤などを少量加えた好みのスープを使ってください。作る人によって味が変わります。
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