アジアンカレーシリーズもこれにておしまい!ラスト第十弾は『ការី、Cambodian Chicken Curry│カンボジア風チキンカレー』のレシピです。タイのカレーと同じように様々な味を同時に楽しむことが重視され、レシピでも酸味、甘味、辛味などの食材を組み合わせています。カンボジアの料理はクメール料理と呼ばれます。
中華料理の影響も強く受けており、様々な香辛料を組み合わせた「គ្រឿង│クルーン」と呼ばれる調味料ペーストを使うこともあります。またタイ料理と同じように東南アジアのアミ漬け、「កាពិ│カピ」もよく使われます。タイのカレーを参考にしてアレンジしてみてもよいでしょう。東南アジアのほぼ真ん中に位置し、周辺諸国の食材や調理法を様々に取り入れているので、今までのカレーのまとめのような作り方をします。ぜひ楽しんで調理してください。
カンボジアの基本情報行ってみましょう!
Kingdom of Cambodia(カンボジア王国)
カンボジア王国は1993年に成立したカンボジアの新しい統一政権です。インドシナ半島のほぼ中央、ベトナムとタイに挟まれるように位置し、国土面積は本州よりすこし小さいくらい。人口は1500万人で、国語はクメール語です。人口の85%がクメール人で、残りがベトナム人、華人、チャム人などです。首都はプノンペン、
同名の王国が1970年までありましたが、その後クメール共和国という暗黒の内戦時代が長く続いていました。ポル・ポトによる自国民の大量虐殺が最も有名といえばお分かりでしょうか?この時代にベトナム戦争に巻き込まれ、国内でクーデターが頻発し、連合国の爆撃を受け、大量の難民が発生し、中ソの代理戦争が行われ、自国民の虐殺があり、すべての法律が償却され、警官、弁護士、検事、裁判官、学者、教師、資本家、僧、牧師、外国人、留学生、およそ全ての大学卒業者が殺害され、あらゆる書物、遺跡、学術施設が破壊されました。内戦当時の地雷はまだ完全に撤去されておらずこれもインフラの発展を妨げています。
1993年に現在の政権が誕生した時点では国民の85%が14歳以下という歴史上カンボジア以外ではありえない人口動態となっていたそうです。現在は世界中から支援を受け、ソフト、ハード両面のインフラ整備が進められています。何せ知識層がほぼまったく不在なため、与えるだけではそれを運用できず、全ての国民の初等教育、いや幼児教育を一からはじめる必要があったのです。どれほど困難な道のりだったでしょうか。
現在は人件費の安さなどから注目され日本をはじめとする各国の衣類工場などが建てられており、ようやく経済発展のスタートラインに付いたといわれています。若く安い労働力が活かされれば、今後の発展速度はより高まることでしょう。
そんなカンボジアのカレーをお楽しみ下さい。
[材料1]
鶏手羽先 ……… 4本
鶏もも肉 ……… 4本
[材料2]
ショウガ ……… 150g
レモングラス ……… 10g
トウガラシ ……… 2本
エシャロット ……… 60g
アミ漬け ……… 30g
[材料3]
ライムジュース ……… 大さじ1と1/2
ターメリック粉 ……… 小さじ1/2
[材料4]
ココナッツミルク ……… 200cc
水 ……… 200cc
チキンブイヨン ……… 大さじ1/2
[調味料]
砂糖 ……… 小さじ1
塩 ……… 小さじ1/2
酢 ……… 大さじ1
[作り方]
1.ショウガは皮を剥き、みじん切りにする。トウガラシは種を抜いておく。エシャロットは皮を剥いておく。材料2を全て合わせてフードプロセッサーに入れ、滑らかになるまで粉砕する。
2.熱した鍋に大さじ5のサラダ油(分量外)をひき、材料2を加えて香りが出るまで炒める。香りが出たら鶏手羽先と鶏もも肉を加え表面の色が変わるまで炒める。
3.作り方2の鍋に材料3と調味料を加えてよくかき混ぜたら、材料4を加えて沸騰させる。沸騰したら弱火で鶏肉に火が通るまで煮込んで完成。
Point!
具に野菜が入っていませんが、好みでジャガイモやニンジン、カリフラワーなどを加えてください。野菜は鶏肉と同じタイミングで入れて炒めます。
中華風の八角やニンニク、タイ風にコブミカンの葉、ベトナム風にぶつ切りにしたタマネギ、サヤエンドウ、カボチャなど、各種の材料を加えることもあります。周辺諸国からの影響を強く受けており、調理する人によって作り方も違うので、どれが正しいクメールカレーとはいえません。好みで様々にアレンジしてください。
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